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[AI絵本]えがお さきわうところ 1/x

 ずいぶん長い間、旅行に行ってない。病気で行けなくなったのがきっかけだが、あまり長くなると、出かけるという発想自体がなくなる。おかげで不自由も感じないが、ネットには旅行記や外国生活の話があふれているわけで、読めば、視線が遠くなる。
 感傷的になると云うことではなく、それはそれで愉しめるのだが、ふと気づいたのだ。そんなふうに疑似体験でも愉しめるのなら、自分の行きたいところにも疑似体験で行けるのではないかと。

 ただし、いささか問題なのは、自分の嗜好が普通ではないうことだ。ある時、旅先で一緒になった人に計画を尋ねられてメモを魅せたのだが、「町の名前しか書いてないじゃん」と呆れられた。オレの計画とはその程度のものなのである。
 もちろん町に行くことが目的ではない。それはおよそのコースポイントであって途中にあるすべてが好奇心の対象なのだ。実際、今も頭に思い浮かぶのは、暑い日に涼んだ木陰であったり、ぽっかりと開いた河原の空間だったりする。
 その木陰はこれぞ日本の原風景というもので、はじめてなのに懐かしく、恋しいとさえ思ったものだが、名所でも何でもない。ぽっかりと開いた河原の空間は、名所から近い場所だったが、たぶんそこまで足を伸ばす人はいない。ただの河原だ。しかし、もし自分が西部開拓民なら、ここに家を建てよう! そう決めたくなるような希望に満ちた場所だった。

 果たして疑似体験で、そんな場所をめぐる旅が出来るのか?

つづく


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