[幻聴ラヂヲ]一 幻聴補聴器
ひょんなことから手に入れたワイヤレスのイヤホン。
なんと幻聴が明瞭に聞こえる「幻聴補聴器」だった!
重症の方であれば、そんなもの絶対に要らないというトンデモ製品だと思うが、オレの場合は耳鳴り程度なので、おもしろがって使っている。
もっとも、補聴器というと格好がつかないので、「幻聴ラヂヲ」と呼ぶことにした。聞こえてくるのは、言語明瞭、意味不明瞭な声なのだが、それはそれで推理が愉しめる。
怪しげな内容もあるが、何しろ自分の幻聴なので発信者不明である。知らない話なので自分の無意識ということでもなさそうだ。あるいは、オレの頭の中には地下放送を受信できる超能力が備わっているのか?とも思うが、そんなことは他人には云えない。親しい友達にも内緒だ。ということで、
ここで話すことは、ここだけの話なので、そこのところはよろしく!
221103 朝
「※※※のギボシ屋根に赤い旗があがった……」
朝、テレビをつけたら、ナントカ・アラートをやっていたが、「幻聴ラヂヲ」をつけてみると、上記の言葉が聞こえてきた。
まったく理解出来なかったが、ネットで検索すると、およその意味はつかめた。某国が事実上、応戦を宣言したようだ。ギボシ屋根とは、その国の宗教建築のことで、赤い旗は反撃の印らしい。
ただし、どこの勢力に対して反撃を宣言したのか、その理由が何なのか?は、わからなかった。
昼
「戦国時代には、※※※は大道に生きる自由な民だった。文化人であり情報提供者でもあった。そして、※※※という職業が嫌になれば、町人にも農民にもなれた。簡単ではないが武士にもなれた」
「徳川の時代になると、※※※は士農工商以外の賤民とされ、その身分は固定された……」
「大道に生きる自由な民だった」というフレーズに年甲斐もなくときめいてしまったが、まがいなりにも自由を謳歌出来たのは、ごく限られた歳月だったようだ。
自由…… せっかく手に入れても、維持するために新たな苦労が始まる。自分が必死になっても、制度が変われば簡単に奪われる……。
それに戦国時代に自由だったというのは、相当のリスクとの引き換えだ。「情報提供者」というのは間諜のことであり、文字通り綱渡りの人生だ。ふつうなら、そこまでして自由になりたいとは思わない。自由とは、相当高くつくものらしい。
さて、※※※とは何か? これはネットで調べなくとも見当がついた。連歌師などの芸能の民だ。ほかには申楽の一座、琵琶法師、歌舞伎のルーツになった踊りの一座などか。
今の時代、そういう自由の民はいるのだろうか?
いるとすれば、ハッキング技術は必須だな。スマホに監視されてるようでは、とても自由とは云えない。
しかし今の人なら、自由よりもお金を選ぶか?
オレ? 自由よりも健康寿命の方が……
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?