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「くまのプーさん」は希望。

 キャラクター商品にとても疎い。子供の頃はぬいぐるみと暮らしていたが、今やそれもしなくなった。今好きなキャラクターと聞かれるとなかなか難しい。だからぼくはものを選ぶのが難しい。スマホケースに始まり、ちょっとした小物、誰かからもらうもの。好きなキャラクターのやつと言えれば簡単なのだろう。でもそのキャラクターを好きと誰かに伝える場合、自分の趣味すべてを高々と宣言するような気分になる、そうなると全面的に好きになれるキャラを探してしまうのだが、それは見つかった試しがない。微妙に見た目が気に入らなかったり、性格設定からそのキャラの持つイメージ、なにかとしっくりとこない。ハードル高っ。ぼくはものを選ぶとき、とてもとてもハードルが高い。エッフェル塔のようである(見たことない)。だからぼくには好きなキャラクターがいない。


そこで、そんなのを軽くブッ飛ばしてしまうキャラがいたことに気づく。

「くまのプーさん」である。そして、今も部屋に一体いる。いるじゃん!


キャラクターとすら思っていなかった。子供の頃に居たぬいぐるみはプーさんのでかいやつだった。今見るときっと小さい。そいつと日々一緒に居たことを覚えているし、アルバムに写るそいつを見ることで、思い出は重ね塗りされて濃いものになっている。唯一好きだと言い切れるキャラがプーだ。性格も見た目も、言うことの独特の深みも最高だ、それを本人が意識していないのも良い。イカシテル。ぼくの記憶の一番昔に声を担当された方の声がずっと残っている。調べてもどの方か確信できないので名前は挙げないが、すごく愛があったのを覚えている。いつかまたアニメを見たいし、絵本も読みたい。そのいつかのために取って置いているような気分なのだ。一生読まなくても良いのかもしれない。だけれどそういう作品があることが、ぼくの未来に希望と深みを与えてくれている。いつかあの作品をゆっくりと読み返すそんな日がくることを、心待ちにしている。



読んでくれて、ありがとう。



また。





とまお

いただけた時には、本買います。本を。