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「社会のため」が自分や仕事のためにもなるー社会を止めないプロボノ活動 ペットイベント編

テニスのある日常で登場した編集部メンバーの島田です。
突然ですが、みなさんは「プロボノ」という言葉を聞いたことがありますか?​
「ボランティア」という言葉には馴染みがあっても、「プロボノ」という言葉に馴染みがない人も多いかもしれません。

今回はプロボノ活動についてと、活動の一つで先日イベントを終えたばかりの「なかはら秋のわんにゃんまつり」について紹介します。


プロボノとは

「プロボノ」とは、「公共善のために」Pro Bono Publicoを語源とする言葉で、「社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組む社会貢献活動」を意味します。
NECは2010年、国内企業として初めてプロボノ活動を開始し、NECプロボノ倶楽部ではこれまで、60以上のテーマの社会課題解決に取り組んできました!
私自身、中学、高校時代にボランティア活動をする場が多かったこと、大学時代には研究テーマに関するボランティア活動を行っていたことから、社会人になっても仕事以外の活動がしたいと思い、入社1年目の時からプロボノ活動を行っています。
私の中で、プロボノ活動は日常の一部の活動として、大切な時間です。
活動で学んだこと、出会った人とのつながりは仕事にも繋がるなと思うことも多いです。 
最近私自身が企画から携わり、様々な部署、グループ会社の方々と協力して作り上げたイベントについて紹介いたします。

なかはらペットコミュニティについて

なかはらペットコミュニティは、中原区においてペット&ヒューマンフレンドリーなまちづくりを目指し、2022年から活動しています
このチームの発起人はなんと入社4年目の守矢優衣さん。
若手の意見が形となり、代表として活躍する守矢さんにお話を伺いました。

守矢優衣
NECネッツエスアイ株式会社 カーボンニュートラル推進本部
かけがえのない日常は「動物の動画を見ること」

 ―私も昨年から一緒に活動していますが、守矢さんの行動力が勉強になります。コミュニティの立ち上げを行ったこと、素晴らしい行動力ですが、「なかはらペットコミュニティ」を立ち上げたきっかけを教えて下さい。
守矢:元々私は犬の殺処分の問題に関心を抱いていました。
生体販売の実情や日本の動物福祉の遅れに直面し、また保護ボランティアの大変さを体感したことで、日本の大きな課題だと感じました。
他社でいうとPanasonicさんも保護犬、保護猫の譲渡会などをやられており、NECグループとしても何かできないかと考えたことがきっかけでコミュニティを立ち上げました。

第2回なかはら秋のわんにゃんまつりについて

昨年の第1回イベントが好評を博し、今年も守矢さん中心にイベントを企画しました。
私もイベントリーダーとして、事前準備、当日の運営に従事していました。
終わったばかりのイベントについて、守矢さんと一緒に振り返りました。

―今回テーマは「ペットと防災」でしたが、このテーマにした理由を教えて下さい。
守矢:昨年の1回目はペット&フレンドリーという漠然としたテーマで行ったため今年はテーマ性をもって行いたかったので、テーマにしたら良さそうなことを行政とも話し合いました。
その結果、中原区は台風19号の際にも被害が大きかったこともあり、防災が地域課題であることがわかりました。
島田:確かに、台風の際は被害が大きかったですね。私も犬連れで避難すべきか迷っていました。
また今年は関東大震災から100年ということもあり改めて、被災時のことを考える機会が多かったのもこのテーマにしてよかったですね。

―イベント開催までについて、どのように検討を進めたか、苦労したことなど一緒に振り返りましょう!
守矢:今年、防災をテーマにしたイベントが多く、他のイベントを見学し、コンテンツも参考にしました。
やりたいことと実現可能性が合わないこともあり、その点は苦労しました。
今回メインで6つコンテンツを用意したのですが、各コンテンツにきちんとテーマを持ってやったことで、来場者に意図が伝わりやすかったと思います。
例えば「わんわんお名前ビンゴ」では、災害時に必要な「自助、公助、共助」の「共助」にフィーチャーして、ご近所付き合いを増やすことをテーマにしていました。
島田:守矢さんの頭の中のイメージが形になった企画、すべて良かったです。特にセミナーは私も聴講し大変勉強になりました。
また、実際に散歩で会った人からこの前ペットフレンドリーイベントでお会いしましたよねと話しかけられ驚きましたが、イベント開催の意味を感じられ嬉しくなりました。
守矢:それは良いこと!その声掛けが広がるのが目標ですね。
昨年から行っている保護犬、保護猫のパネルは今年も大盛況で、関心を持って下さる方が多かったのが印象的でした。

保護犬、保護猫パネル
防災展示パネル

―準備も大変でしたが、イベント当日も色々ありましたね。当日の様子についても振り返りましょう。
守矢:朝の準備段階から午前中まで雨が降っていたので、とにかく寒かったですが、雨の中でも来場してくださる方もいて、開催してよかったと改めて思いました。
雨が止んでからは人も増え、約1000人の方に来場いただきました。
昨年度の来場者1000人に対し、今年度は1500人を目標としていたので、雨の中を思えばよい数字ですが、晴れていたなら…と考えると少し悔しいです。
しかし、来場者の方の笑顔や、可愛いたくさんの犬たちに癒されながら無事に終えられて安心しています。
島田:本当に、雨が思ったより長引いたことが残念でした。出店者の方、ボランティアの方にも寒い思いをさせてしまいました。
しかし告知を見てわざわざ千葉から来場してくださった方がいたと聞いたときは嬉しかったですね!
守矢:はい、社内外での宣伝が効果があってよかったです。

―今回も学んだことが沢山あるイベントでした。イベント当日について、良かったことや反省についてざっくばらんにお話ししましょう。
守矢:まずボランティアが社内外あわせて50名ほど集まり、午前は雨で寒かった中、自らの責任を果たしていただいて感謝です。
おかげで想像以上にスムーズに準備ができました。来場者の方からも「ボランティアスタッフが優しかった」や「ボランティアスタッフの動きが早く、気を遣ってもらえて嬉しかった」などポジティブな感想をたくさんいただきました。

ボランティアの方々との集合写真

会場のレイアウトが反省点で、今回「なかはらウェルカムパーティー」と「コスギカレーexpo2023」とペットイベントの3イベント同時開催だったので、より一層来場者目線のレイアウト設計に力を入れるべきでした。
島田:そうですね、ボランティアの方にたくさんご協力いただき当日運営できたので、本当に感謝してもしきれません。話している中で実は仕事で関りのある方だったという発見もプロボノ活動ならではと感じていました。
3イベント合同の大変さもありましたが、ラジオで一緒に宣伝したりと楽しかったです!

―今回のイベントで学んだことは何ですか?
守矢:今回は共感してくださる方がいて、開催できましたが、自分のやりたいこととできることの境界が難しいです。
あくまでボランティア活動なので、制限や制約をきちんと意識して、手を広げすぎずできる範囲でやるべきということを学びました。
島田:そうですね。実際に周りの協力があったから開催できました。準備がかなり大変だったので、できる範囲でが今後もポイントになりそうですね。

―少し難しい質問ですが、本イベントの「社会を止めない役割」は何だと思いますか?
守矢:今回、ありがたいことに川崎市獣医師会がご協力して下さったのですが、そのお話の中で公開空地をペットとの一時避難所に使えないかということを検討したいというお話がありました。
もっと地域の人とペットの暮らしをよくするために地元企業として協力できればいいなと思いました。
災害時など場所の提供等できることはあると思うので、小さなことでも貢献し、困難時などでも社会を止めない役割を担えればと思っています。
また、イベントを開催したことで、防災を暮らしの一部ととらえ、生活の気づきが与えれていたら良いと思います。
島田:素敵な回答ありがとうございます!地元企業の良さを生かしたいですね。

―プロボノ活動全体に関しての質問です。
「社会のためが自分のためになる」がプロボノ活動の醍醐味だと思いますが、活動の中で、仕事で役立ったことは何ですか?
守矢:私はプレゼンがあまり得意ではありませんでしたが、今回助成金を頂くためにプレゼンをする機会が多く、その資料作成やプレゼンの極意を、一緒に活動する管理職の人から教えていただきました。
プレゼン力が身についたので、仕事でも自信をもってプレゼンできるようになりました。
また、上記を教えていただいた方含め、プロボノを通じて様々な経験や価値観を持った方々と繋がれました。
活動を通じて様々な社内ネットワークが構築されていくことも仕事に大いに役立つと思います。
島田:私も人とのつながりはかなり大きいと思います。プロボノで関わった方に仕事で助けて頂いた経験もあります。
 
―最後になりますが、今後プロボノ活動を通じ、どのように「社会を止めない役割」を果たしたいですか?
守矢:企業は営利で回さないといけませんが、ボランティアは利益を生み出すことが目的ではありません。
収益がないため企業だとできないことを補完することがボランティアだと思います。
俯瞰で見ると、このような活動ができる人はボランティアしかいないし、ボランティアの存在がいなくなったら社会が回らなくなると思います。
そういった意味でもプロボノでその役割を担いたいです。
島田:私も営業部門に所属していた頃は、収益こそが会社の価値と捉えていましたが、今の部署に異動してからは、NEC自体の価値を高めることが利益にもつながるのだと考えを改めました。
是非また活動でご一緒しましょう!

おわりに

私自身も準備から本番まで守矢さんと一緒に活動してきましたが、ボランティアの人数が集まるかが最も不安でした。
しかしありがたいことにその心配は不要で、たくさんの素敵なボランティアに囲まれて、万全とは言えない天気の中で、最高のイベントを作ることができました。
また、3イベント合同ということで、「なかはらウェルカムパーティー」と「コスギカレーexpo2023」の代表者とイベントを宣伝するためにかわさきFMのラジオに出演するという、普通なら考えられない貴重な経験もできました。

様々な人と関りあいながら活動できるのがプロボノの魅力だと再認識できたイベントとなり、大変満足しています。
第3回、第4回と続くイベントにし、地域の方に喜んでいただけるイベントを引き続き作っていきたいというのが今後の目標です。
(直近の目標としては、本イベント内のトレーニングセミナーで聞いたことを、我が家のしつけのなっていない愛犬(10歳)に教え込み、立派な犬に育てることです!笑)
*余談ですが、カレーexpoのカレーがとっても美味しく、8種類食べてしまいました(^^)

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