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『生きのびるための事務』あらゆるジャンル視点で良書。

旅先で気になっていた本「生きのびるための事務」坂口恭平さん著作を発見し荷物が重たくなるのを承知で購入しました。
結果。
買ってよかったし、旅先ですべて読み終えることができました。
坂口恭平さんの本は、どれもとても読みやすくて大事なことが書いてあります。文字と挿絵の展開が多いですが、今回は道草晴子さんが坂口さんの原作を漫画化されております。web連載だったようですね。項目ごとに次回へつづく、とあります。
原作者の違う著書にも出てくる「ジム」というキャラ(イマジナリーフレンド?)と作者、坂口恭平さんがいかに今のスタイルで生計を成り立たさせたか。夢を現実にするにはどうしたらいいのか、みんな気になることがほかのビジネス本と違った視点で書いてあります。
自己啓発であり、ビジネスであり、継続や行動することについての内容です。今の自分に悶々とする方はだいたいどれかで悩んでいるのはないのでしょうか。

本書を手にとってその方法を確認はしてほしいのですが自分のためにまとめておこうと思います。
順番として、

①現在の現実をノートに書く。
円グラフで書いていたのですが、現在、どういった一日を送っているのかを何時から何時まで何をしているのか書きます。
②未来にどういった時間割を過ごしているのか書く。
次に十年後、自分がどうなっていたいのか決めて、どういった一日を送っているのか書きます。将来の現実。これで初期設定完了。
③目標から現在を逆算する。
これはどの本でも書いていることですが、ジムと坂口恭平さんの会話がとてもわかりやすく描かれているのです。
例えば、年収1000万円で、文章・歌・音楽をして暮らしているという目標なら、どのくらいの作業量が必要なのか計算します。

ここからは、現実的な内容を算出します。

お金の問題:
いきなりは稼げない。お金は最低いくらあれば生活できるのか。いつまでその生活をするのか。健康保険はしっかり払っているけど、奨学金と年金は猶予申請を提出しよけて計算した場合、月に8万円あれば暮らせる。そこから一日一万円のバイトを月に8日いれるか考えます。
著者は日給三万円の仕事(24時間丸一日あるイベント会場設立スタッフ)を月に4回やると設定してました。
本当にやりたいことをやる時間が必要なので最低ラインでいいわけですね。

文章・歌・トーク・絵で稼ぐ数字の設定:
本にするための文章を書こうとすると、途端にかけなくなります。毎日、その日書きたいものを書き続けます。
(これは別の著書にも書いてました。私も小説は最近つまっているのですがnoteだと思っていることをスラスラ書けます)
著者は過去に大学の論文で評価された作品を持っています(0円ハウスというホームレスの家、生活をインタビューしたもの)それを好きな出版社に電話をかけて出版してただけないか交渉。
文で食べていくには「評価」されないといけないからです。才能と事務は違うわけです。お金にするには評価が必要。評価されないからといって才能の有無は好きなことを続けることができていたら「アリ」という考えです。
そこで原稿料はいらないけど重版分だけお金をもらえるよう設定。
これがうまくいくというのがすごいです。
でも、やってみないとわからないですからね。現実的な手段に打ってでただけです。そこで出版社とつながっておきます。
ジムとの計算では、印税を計算しても1500円の本なら150円しかもらえないため、年4冊くらい出すイメージ。
原稿用紙毎日10枚を書くように(内容は書きたいもの)する。
三ヶ月に1冊本が完成。
150万円もらえる。年4冊で600万円。
エッセイも書くとして1ページ3万円☓3社分(一ヶ月)=9万円。
一年で100万円くらい。
トーク企画1500円☓60人=9万円
9万円-場所代1万円-企画者3万円=出演料5万円
年に10回で50万円。
歌(ライブ)も同じくらいで50万円。
600万(本)+100万円(エッセイ)+50万(トーク)+50万(歌)
=800万円まできました。

残り200万円!

月に2回枚くらい12ヶ月で24枚。
200万円のため1枚8.5万円で売れば可能。
キリよく9万円☓24枚=216万円。
これで理論上1000円達成!!

これなら10年後可能かもしれないとイメージしやすくなります。
なるほど!
そこから、陸続きの現実をつくっていくだけです。
目標が明確なので今すべきことがわかってきます。
バイトは半年。それまでに出版や絵を売れるように算段しておきます。
作者は過去知り合った方の「今度現地で会いましょう。来たらコンペに出してあげるよ」というチャンスを逃しません。
どうやって海外へいくの、旅費はとかいわず物を打って速攻向かいます。
そして本当に行動できた人を評価する側は面白がります。
そういった人はセンスがいいので、必ず評価するというのはうなづけます。
行動力がすごい。好きなことで生きていきたいという目標のため必死です。世界で自分の本を売りたいという目標のため、出版社が翻訳してくれないといわれたら、大学へ行って翻訳者になりたい方を自力で5万円で探しだします。
あとで重版になったら請求すればいいという考えです。
怖いな、と思いつつも楽しそうだなと思いました。自己肯定感を持って取り組まないと何事もうまくいかないと考えてきましたが、そうではなくて夢を現実にする方法「事務のやり方」が間違っていただけなのだと気づかせてくれる本です。

ジムと坂口さんの合言葉が随所に出てきます。

「どうせ最後は上手くいく!」







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