見出し画像

【Edge Rank 855】先生の思い出【TOMAKI】

とりたてて頭が良いというわけではなく、むしろ何かを覚えようとすると根本的な理屈が理解できないとなかなか頭に入ってこないっていう容量の悪さもあって、暗記も苦手だし、勉強に対してはかなり不器用です。でも新しいことを学ぶのは大好き。

学ぶことが楽しいって思えるようになったのは、やっぱり今まで出会った先生たちのおかげなんだろうなと思います。

今月の Edge Rank の共通テーマは #忘れられない先生 ということで、僕がこれまでに出会った先生について書いていきます。

書くことの楽しさを教えてくれた国語の先生

小さいころ、作文が苦手でした。なんか、気が乗らないというか。書こうとすると緊張する。上手に書こうとすると、なかなか言葉が出てこないんですよね。なんかこう、「先生や大人に褒められるための作文」っていうのがあって、みんなそれを目指して「子供らしく」書くっていう。そういうのが、あんまり好きではなかった。好きではない割には、書いたら書いたでたまにちょっとした賞を取るくらいは書けたりもして、それが余計プレッシャーになったりもしてね。とにかく、小学生の頃は文章を書くのがあまり好きではありませんでした。

それが大きく変わったのは、中学生の時。とてもユニークな国語の先生に出会ったのがきっかけで。

まだ大学を卒業したばかりの新任の国語教師。アメ車を乗り回しブランド服も着こなすという、まさに「トレンディドラマ」から出てきたような、キャラが強めの先生でした。

授業がまたユニークで。ちっとも教科書を使わない。突然紙を渡されて、「よし、じゃぁ今日は誰にでもいいからラブレターを書け」とか言われるんですよ。生徒たちは「えぇっ!」とどよめく。思春期の男女には、ちょっと難しい課題です。困惑しながらも、書き始めるとこれが意外と面白い。自分の「好きだ」という気持ちを相手に手紙で伝えるのですが、自分の好きという気持ちだけをぶつけてもうまくいかない。相手の気持ちを慮りつつ、「こう書いたら、相手はどう思うかな」なんてことも想像しつつ、文章を積み重ねていく。わかりやすく、でも相手を感動させられるような。国語力を身に着けるって、こういうことなんだな、と。

文章を使って、何かを伝えることの面白さと奥深さを教えてもらいました。

そういえば、僕が星新一さんの超短編小説にはじめて触れたのも、この先生の授業だったなぁ。もちろん、それも教科書に載っているわけではなく、先生が教材としてプリントしたものを使ってみんなで作品を味わいながら学ぶっていう。「こんな面白い作品を書く作家さんがいたのか!」と感動して、それから図書館で借りて読むようになり、やがて星さんの本を読みつくすと、小松左京さん、筒井康隆さんなどのSFや短編小説なども読むようになり、やがて立派な本の虫として成長するっていうのはまた別の話。

高校の英語の先生

冒頭に書いたけど、どうも僕は勉強が苦手で。特にひどかったのは高校の授業。どうしても、受験勉強が好きになれないのですよ。でも、やらなきゃいけない。しかも、進学校だったので、周りはみんなしっかり受験勉強をやっている。僕だけ、図書館で好きな本を読んだり、陸上部として走ることに没頭したり。

特に苦手だったのは英語でした。中学生の頃は英語が好きだったのですが、高校に入ってから受験対策の英語を学ぶようになってからは、一気に興味がなくなりました。その時の先生が、定年間近のおじいちゃん先生。教室の中で、呪文のように抑揚のないカタカナ英語を使って、受験対策のためだけの英語を教えるっていう。「こんな授業、何十年受けたところで絶対に英語が喋れるようにはならない」って思ったら、なんだか勉強する気も起きず……。

高校の終わりに、いよいよどうしても受験と向き合わなければならなくなったとき、なぜか突然僕は「よし、海外留学をしよう!」と決意しました。周りに留学経験者がいたわけでもないし、なんなら僕は一度も海外に行ったことすらない。英語の授業が嫌いだから、もちろん外国人と英語で会話したこともなく。でもなんとなく、リアルな英語を身に着けたいと思ったんですよね。それはきっと、あまりに学校の英語の授業がつまらなかったせい。受験英語の反動で、思わず海外に飛び出してしまったという。

ある意味、あの英語の先生のおかげでした。

アートに出会った大学時代

学生たちの間で「あの先生の授業は厳しいから受講しない方が良いよ」っていうような情報が流れてくる。すると僕は、「へー、なるほど」と思って、その先生の授業をあえて選ぶ。大学へは勉強するために来ているのだから、厳しい先生で結構。そして、そういう先生の授業の方が面白かったりもする。

そういう、学生からは避けられるような厳しくて面白い先生の一人が、アートの基礎クラスを教えるH先生でした。アートのクラスなのに、画材はあまり使わず、制作の課題に使うのは子供が使うような文房具ばかり。クレヨンで絵を描いたり、カッターで画用紙を切ったり、サインペンとか、ノリとか、幼稚園の「お道具箱」の中身に入っているようなものを使って、作品を制作する。

授業中に作品制作をすることはほとんどなくて。だいたいが課題を与えられて、それを自分なりに解釈し、次の授業までに自分の時間を使って作り上げる方式。クラスの時間では、持ち寄った作品をみんなで見ながら先生が感想を述べて、それに対してみんなで話をしていくという流れでした。

その、先生の批評がまた辛辣でね。作品のコンセプトが弱かったり、作る時間が足りなかったりすると容赦なくぶった切られる。今のご時世だったら、確実になんらかのハラスメントに引っ掛かりそうなコメントが飛び交う中、それでもきちんと作品を作りこんで、かつしっかりとその作品についてプレゼンをすることができれば、評価をしてもらえる。

そして、一番面白かったのは、与えられた課題をそのままこなすのではなく、自分なりに解釈して、なんなら課題と全然違うものをつくっていったとしても、その作品自体が良ければ評価されるということ。これには痺れました。「アートって面白いな」と思ったんです。

その先生のクラスがとても面白かったので、その後もアートのクラスを取り続けました。卒業単位に関係なく、面白いと思った授業を当時はどんどん受講していったら、あまりに自由にクラスを取りすぎてしまったため、ちょっと面倒なことになってしまいました。最初は真面目な「人類学部」というようなところに籍を置いていたのですが、あまりにたくさんアートのクラスを取りすぎてしまったため、なんと学部を変えないと4年間での卒業が危ういということに気づき。若干確信犯的な行動でもありましたが、そのため大学2年から3年に上がる頃に「アート学部」に転部しました。担当教授は、もちろん一番最初にアートの魅力を教えてくれたH先生。たぶんこの先生に出会っていなければ、大学を卒業して写真の仕事に就くこともなかったし、その後ウェブデザイナーとして働くこともなかったと思います。いまだに「日曜アーティスト」として趣味の創作活動をしているのも、この先生のおかげ。自分にとって、忘れられない先生です。

=== 今月のテーマであなたも書きませんか? ===
今月のテーマは #忘れられない先生 です。学校だけでなく、習い事でも塾でも先輩でもメンターでも、自分にとっての「忘れられない先生」について教えてください!反面教師もいるかもしれませんが(笑)
noteやブログ、ツイッターでEdge Rankと同じテーマで書いてみませんか?
ハッシュタグ #EdgeRankBloggers を付けて投稿すると執筆メンバーが読みます!
https://twitter.com/intent/tweet?hashtags=EdgeRankBloggers
内容によってはEdge Rankで取り上げさせていただくこともあります。

編集後記

昨夜、「電子書籍をつくろう!」っていうテーマで、勉強会のキックオフをオンラインで開催しました。これから2か月間あまり、仲間たちで集まって、みんなでそれぞれ電子書籍をつくります。つくった本をKindleで販売するのが目標。僕も、この2か月の間で新たな本をつくる予定。楽しみです。

今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は4月27日(火)の配信。「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!

Edge Rank noteは個性豊かなブロガー集団による共同noteマガジンです。マガジンをフォローすると月に10本程度の記事が届きます→ Edge Rank note

この記事が参加している募集

忘れられない先生

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。