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『風の谷のナウシカ』の絵コンテをカセット音源を聴きながら見ていた少年時代

初めて『風の谷のナウシカ』を観たのは、中学生の頃だったと思う。テレビで放映されたのを自宅の小さなブラウン管で観た。衝撃だったね。それまで、アニメーションって紙芝居のようなシンプルな動きのキャラクターが、口のとこだけパクパクするくらいのイメージだったのが、ナウシカに出てくるキャラクターの動きや、背景などの描き込み、そしてなにより全体の世界観やストーリーに引き込まれて、観終わったあとしばらく動けなかった。

当時、うちはまだテレビ番組を録画するためのビデオデッキがなく、ラジカセをテレビに繋いでカセットテープにその番組の音だけを録音した。で、文庫サイズの「絵コンテ」を買って、夜寝る前にベッドの中でよくその本を開いて目で追いながら、耳でその映画の音を聴くっていうのをよくやってた。ラフなドローイングのコマをひとつひとつ見ながら、頭の中で映像をイメージする。それは、自分にとってとても幸せな時間だった。

今で言うと、たぶん「推し活」っていうのかもしれないですが。電車で30分以上かけてアニメグッズが売ってるお店に行って、店頭で散々悩んだ挙句にブリキのペンケースと下敷きを買うっていう。ジブリ映画の歌を収録したカセットテープも買いました。ナウシカ、ラピュタ、トトロの歌に混じって、アリオンとかいう作品の歌が入ってて「これはなに?」って思った記憶。そのカセットも、よく聴いてたなぁ。

巷では「魔女の宅急便」の劇場公開があって、僕も観に行きたいなぁと思ったんだけど、田舎の子供にとって映画館はまだまだ縁遠い場所だった。そんなことより、早く漫画版のナウシカを再開して欲しかった。時々「アニメージュ」の雑誌を買っては、ナウシカの原作漫画の再会を祈ってた。

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個人的に思い入れのある本、大切にしたい本、知人が書いた本や、私がちょっとだけ載ってる本などについて書いています。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。