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"知的謙虚さ"とは?デューク大学の心理学、神経科学者マーク・リアリーの研究など

今回ご紹介する研究では、"自分が本当は間違っているかもしれない"という認識や、"どのような人が謙虚な傾向があるか"、そして、"謙虚さのスキルを養う方法についてのいくつかのヒント"をお伝えしていきます。

私たちは、

教室や職場など様々な社会生活において、"強い自信が必要な状況"を経験しており、それの対処法などが書いてある、自信を題材にした書籍なども数多く出回っています。

しかし意外にも、私たちは社会生活において自信が少ない割に、自分の信念や意見に関しては必要以上に自信を持っているのです。

数年前の"意見の相違"についてのデータでは、

自分自身の意見のほとんどが正しいと思っている人は84%で、半分正しいが14%、半分以上が間違っていると答えたのは、わずか4%の人たちだけでした。

"自信過剰バイアスに関する研究"でも、

人は自分の能力、知識、信念を過大評価していることがわかっています。

心理学者のスコット・プラウスは、「"自信過剰"は、思考や意思決定を悩ませる偏見であり、悪い決定や否定的な結果につながるという点では、最も壊滅的なものである」と指摘しています。

"自信過剰"に対処するための最初のステップは、

人々が真実であると信じていることの多くが、実際には間違っているかもしれないことに気づくことです。

最近の心理学の研究では、この認識のことを"知的謙虚さ"と呼んでいます。

知的謙虚さを持つ人は、

自分の信念、意見、視点が間違っていることや、間違えやすいことを知っています。

これは全ての情報に当てはまるかもしれませんが、情報を実際に証明するためには証拠が制限されます。また、欠陥がある可能性があり、自分もしくは相手が、証拠を理解し評価する専門知識や能力を持っていない可能性があります。

知的謙虚さを持っているとは、

自分自身が誤った情報や不完全な情報を扱っているかもしれないし、すべての詳細は理解できないので、自分の信念や意見は100%信頼することができないことを認識している状態です。

もちろん、私たちは自分の信念が間違っているように感じることはめったになく、私たちは通常、自分の信念が真実であるかのように振る舞います。そうしないと、不確実性と優柔不断によって思考停止状態になります。

"知的謙虚さが高い人"は、

自分が真実であると信じているものは間違っている可能性があるので、常に見解を修正する必要があるかもしれないことを理解しています。

"知的謙虚さのレベル"は、人生の様々な状況であなたや周囲に影響を与えるのです。

ただし、"知的謙虚さのレベル"は高ければ高いほど良いということではなく、なりたい自分や、自分のゴール達成に対するひとつのスキルとして見ると良いかもしれません。

時には、自分が間違っていることを認識し、

認めることもありますし、自分の持っている証拠が少し不足していても、強く主張することもあります。

なりたい自分や、自分のゴールに対して、インテリジェンスを自由自在に操るには、知的謙虚さを普段から意識的にコントロールする必要があります。

デューク大学の心理学者マーク・リアリーと

リック・ホイルによる知的謙虚さの研究には、"知的謙虚さスケール"というものがあります。

以下の項目に対して、「全くそうでない」から「その通り」まで、5ポイントの尺度で評価します。

・間違いを認め、自分の意見、立場、視点に疑問を投げかける

・新しい証拠が提示されたとき、自分の意見を再考する

・自分とは異なる意見の価値を認識している

・自分の信念や態度が間違っているかもしれないことを受け入れている

・矛盾する証拠に直面した場合、前向きに自分の意見を変えることができる

・すでに真実だと思うこととは異なる情報を見つけることが好き

上記6項目のポイントが30に近いほど、"知的謙虚さのレベルが高い"ということになり、研究者たちは、このスケールを利用して、知的謙虚さのレベルと人間の思考、感情、動機、社会的行動の影響などを調べました。

"知的謙虚さ"の特徴

これは、「考えすぎ!」とかではありません。実際にある"知的謙虚さの研究"の中には、商品の価値に関する記事の証拠の質に対して気を配り、その商品についての良い理由と悪い理由をより明確に区別するなどがあります。

知的謙虚さを持つ人は、自分の信念が間違っているかもしれないことを認識しているので、自分の信念の証拠の質に注意を払います。

知的謙虚さは特徴として、自分のことばかりを考えているように見えて、その逆をしているのです。

研究データによると、知的謙虚さが高い人は、自分の意見に反する視点の情報を得ることに多くの時間を費やし、反対の意見についてより深く考えていたことがわかりました。

テネル・ポーターとカリーナ・シューマンによる研究では、

知的謙虚さのレベル高い人は、反対意見の理由を理解することに興味を持っていることを発見しました。

これらの調査結果でわかることは、彼らは、自分の信念に対する証拠に注意を払い、他者の反対意見などについて、より多く考えているということです。

知的謙虚さの利点

・より多様な情報や視点に前向きなため、意思決定の質が向上する。
・他者の意見により前向きで、防衛反応も低く、間違えを認める可能性が高いため、効果的な相互作用と人間関係を促進する。
・より幅広いアイデア、交渉、妥協などを検討する傾向があるため、組織や社会の進歩を促進させる。

つづく…

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