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性格は遺伝しない!?「認知科学とブリーフシステム」

一般的に「性格は遺伝する」と考えられています

「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしてゐる」これは夏目漱石の「坊っちゃん」に出てくるフレーズです。

皆さんも子供の頃、何かを発言した時に「やっぱりお父さんの子だね」とか、「親に似て○○だね」などと言われたかもしれません。

性格について心理学のビッグファイブ理論では、
開放性:知的好奇心などの度合い
勤勉性:自己統制力やまじめさの度合い
外向性 :社交性や活動性の度合い
調和性:利他性や協調性の度合い
神経症傾向:ストレスに対する度合い
上記の組み合わせで考えています。

しかし認知科学では、一般的に性格だと思われているものは「ブリーフシステム」として考えています。

ブリーフシステムは、前頭前野に蓄積された認識のパターンです。

人がそれぞれに持っている心理的特性を生み出すのがブリーフシステムであり、「愛こそがすべて」というブリーフシステムを持つ人は、愛という天秤で物事をはかり、「お金こそがすべて」という人は、お金という天秤で物事をはかって意思決定をするのです。

「愛こそがすべて」という人は、「愛のない○○などできない」と考えますし、「お金こそがすべて」という人は、「お金がもらえないのに○○はできない」と考えます。

「ステータスは高ければ高いほうが良い」というブリーフシステムの人なら、自分の成績を上げるために勉強をしたり、習い事などをします。

ブリーフシステムは瞬間的な意思決定だけでなく、その人の心理状態や人生観、ゴールの設定などにも影響を与えます。

ただし、ブリーフシステムはひとつだけではありません。人間の前頭前野には複数のブリーフシステムが納められているのです。

複数のブリーフシステムが矛盾し合うために、人は「どっちにしようかな?」とか「どうしようかな?」と考えたり葛藤をするのです。

そして、ブリーフシステムは遺伝ではなく、成長の過程で構築されるものなので、遺伝子にその情報は蓄積されていません。

つまり、認知科学では遺伝的に親から子へとブリーフシステムが受け継がれることはありえないと考えているのです。

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