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"更年期の解決策"男性の更年期障害について(女性にも)

前回は、女性の更年期と更年期障害についてお伝えしましたが、最近は"男性にも更年期と更年期障害がある"という話が一般的になっているようです。

女性と男性の"更年期"の違い

女性は、思春期~性成熟期(18~45歳頃)、更年期(45~55歳頃)、更年期以降(55歳頃~)と、大まかに分けて3つがあります。

成熟した女性が閉経を迎える変わり目の前後10年間を更年期と言って、その時期に卵巣の機能が徐々に低下して色々な障害が出る、これが"女性の更年期や更年期障害"というものです。

男性の場合は下図のように、思春期に精通をして生殖可能な大人になり、そこから徐々に減衰をしてはいきますが、最終的に70過ぎまで生殖が可能なので、"女性の更年期のような極端な切れ目がない"のです。

順天堂大学医学部附属順天堂医院 泌尿器科より

図の下部には、"体で活躍できるテストステロンは実はすごいスピード…"とありますが、女性の更年期と比べればそこまで大きな変化ではなさそうです。

では、なぜ男性も同じ"更年期障害"と言う名前で呼ばれているのかというと、体内の男性ホルモンが低下すると、火照り、めまい、疲労感などの身体的な症状と、不安、イライラ、怒りっぽい、やる気が出ないなどの精神的な症状が"女性の更年期障害とよく似ている"ことからだそうです。


つまり、巷で「男性の更年期、更年期障害」と言っているのは、"男性ホルモンの低下"を指しているということです。

男性ホルモンとは

男性ホルモン(アンドロゲン)は男性ホルモンの総称で、主に以下の3つを指します。

テストステロン
デヒドロエピアンドロステロン
アンドロステンジオン
このうち男性ホルモン全体の95%がテストステロンです。

"男性ホルモンの低下"は、人によって違いがあります。例えば、30歳で男性ホルモンがあまり出なくなった場合は"LOH(late onset hypogonadism 加齢性腺機能低下症)"という病気の可能性があります。

しかし、50、60、70代になって男性ホルモンが少なっていくのは、当然のことだと言えますが、先述にある"男性ホルモンの低下による症状"がつらい場合は、ホルモン治療をするという選択肢があります。

ホルモン治療について

男性ホルモンの分泌量が低下しているかどうかは、"血中の遊離テストステロン値"を測るとわかりますので、あまりにも症状が苦しい場合は、テストステロンを注射するという治療があります。

現代では、一般的に男性ホルモンの低下による症状を更年期障害と言っていますが、実際に血中の遊離テストステロン値を測って正常の範囲なのに諸症状が現れている場合は、"男性の更年期障害"というより別の原因となりますので、あまりLOHや更年期を気にしすぎない方が良いということです。

おわりに

前回の記事の話を踏まえると、更年期になる人、ならない人、症状の強弱はあったとしても、女性の更年期は歳をとったから衰えるというのではなく、閉経の前後5年で10年間は厳しい状況となります。

しかし、男性の更年期や更年期障害は、人によって違いはあっても、年齢を重ねて徐々に男性ホルモンが低下していくものなので、正しい認識をして、"更年期障害=怖い"と極端に思い詰めない方が体に良いように思えます。

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