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衝動性の時代は終わり①これからは"心を操縦する力"と"ゴール達成能力"

現在、一般的にCEOやその他の権力者などによる制御不能な行動(衝動性)は大きなインパクトを与え"人を支配する力となる"と考えられています。

また、衝動性を"権力(人を支配する力)への道"と考える人もいるかもしれません。衝動性とは、悪い結果になってしまうかもしれない行動を深く考えずにおこなうという行動特性を言います。

しかし、カリフォルニア大学サンディエゴ校のラディ・スクール・オブ・マネジメントと、テキサスA&M大学の研究では、3500人の被験者と7つの実験により、高いレベルの自制心(心を操縦する力)を持つ人が、より強力なリーダーシップの役割に適していることを実証しました。

この研究は、1959年に社会心理学者のジョン・フレンチとバートラム・ラーベンが提唱し近年まで信じられてきた"パワーダイナミクス"の認識を覆し、"心を操縦する力"の重要性をより強く示唆しています。

パワーダイナミクス

パワーダイナミクスとは、他者を望ましい方向に変えるために使われる力を6つのタイプとして定義したものです。

・強制力(他者を支配する力)
・報酬力(インセンティブなどを与える力)
・正当権力(ヒエラルキーのレベル)
・同一視力(所属においての業績や魅力)
・専門力(知識の権威力)
・情報力(価値あるデータへのアクセス力)

"心を操縦する力"

Journal of Personality and Social Psychologyに掲載された論文では、"心を操縦する力"を示すことによって、その人が強力な存在であると認識され、他者からの協力にも影響を与えることを発見しました。

また、ラディ・スクール・オブ・マネジメントの経営学准教授であるパメラ・スミスは、健康的であることをゴールとしているグループ内において、大きなデザートを食べるかデザートを控えるかによって、その人の能力を他者から判断されるという研究をおこないました。

結果はもちろん、デザートを控えた人は、より高レベルの能力を持っていると見られていることを示しました。これも、"心を操縦する力"が人を強力な存在であると認識させるカギとなっている良い例と言えるでしょう。

また、この研究結果において、もうひとつのポイントとなっていたのは、参加者の判断にとって重要なのは、相手がゴールに沿って行動したかどうかでした。

"ゴール達成能力"

ゴール達成に沿って行動する人を「素晴らしい」「すごい!」と他者に感じさせる心理パターンは、人間関係、ビジネス、健康、勉強など、私たちの日々設定しているゴールに当てはまります。

当然のことですが、ゴールを達成できなかったり、途中であきらめてしまった場合、他者は「やっぱりダメか」「ぜんぜんすごくない」と認識するということも分かっています。

このことから、先述の"心を操縦する力"と"ゴール達成能力"は関連しているとも言えるでしょう。

つづく

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