トマさんの31日間noteにバスを上げるチャレンジ#30「島民約400人の足の巻」
今日は離島のバス会社に転職した小型バスのお話。
移籍前はニュータウン輸送に明け暮れていたのが、移籍後は小さな島の大事な足に!
果たしてその真相とは。
「花澤島交通 36号車」
新零県の東に浮かぶ小さな島、「花澤島」。
人口400人ほどのこの島の交通を一手に引き受ける「花澤島交通」で活躍する三菱ふそう・エアロミディが今日の主役。
本車は2003年、神奈川県の大手バス会社に導入されてその一生を送り始めます。
当初配属されたのはニュータウンを管轄する営業所で、道が狭いために大型車が入りづらい住宅地から駅までの輸送で活躍します。
本車は全長7メートルと驚異の小型仕様。
そのために小回りも良く効き、長らく狭隘路線やニュータウン輸送に明け暮れていました。
また、このクラスでは当時珍しかった国産のノンステップだったのも大きなポイントで、「小回りの効く利便性」「ノンステップによるバリアフリー性」「国産の安心感」を備えた1台として長らく愛されます。
しかし、時が経つと国産の別メーカー製品が大ヒット。
本車も次第にシェアで別メーカー製品に押されるようになり、気づけば車庫で静かに過ごす日々が続き、2020年に引退する事となりました。
2020年に引退し、中古市場に売りに出された本車。
そんな本車に転機が訪れます。
ある日、買い手が決まって第2の一生を送ることが決まります。
そしてその買い手は「花澤島交通」。
神奈川から遠く離れた新零県の小さな島で、本車は路線車として第2の人生を送る事になったのです。
2020年末、本車はフェリーで横浜~彼礎間を輸送。
そして彼礎で塗装を紫ベースに改め、県道2号線を北上し、花澤島大橋を渡り抜け、花澤島に到着します。
こうして、ニュータウンの大事な足だった1台の小型ノンステップバスは人口400人程の小さな島の大事な足として活躍を始めることとなったのです。
現在の運用は島内の中心部にある「花交バスターミナル」が拠点。
南部の津崎へ向かうS3系統、東部の花澤島工芸館行きE5系統、朝夕に運転される祝野~花澤小中学校間のS8系統を始め、島内中心部循環のL系統や橋を渡って隣の手菜島へ向かうN3系統が主な活躍ルートです。
あとがき
路線バスがここまで小さくなるとは、技術陣の苦労の結晶でもあるのです。
そんな1台がこうしてのんびり活躍していることが、なんだかときめきます。
では。
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