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ファシリテーションで意識すること

kintone開発チームでスクラムマスターをしているとうま(@toma_cy)です。

この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '24 (Agile/Scrum Stage) DAY 5の記事です。

スクラムマスターに求められるスキルは様々です。
今回は、その中の一つであるファシリテーションについて取り上げてみたいと思います。

数ある中からなぜファシリテーションを取り上げるかというと、最も興味のあるスキルセットの一つだからです。
また、初めてアジャイルというものに出会ったころから意識してきたのがファシリテーションだったということもあります。

そんな思い出深いファシリテーションについて考えてみたいと思います。


ファシリテーションについて

以下は生成AIによる一般的な説明です。

ファシリテーションとは、会議やワークショップなどの集まりにおいて、参加者が効果的にコミュニケーションし、目標を達成するためのプロセスを支援することです。ファシリテーターは中立的な立場で、議論の進行を円滑にし、意見の調整や問題解決を促進します。これにより、参加者全員が積極的に関与し、建設的な成果を得ることができます。

「支援」という言葉が使われていますが、では具体的にはどのような支援があるでしょうか。

具体的な話をする前に、前提として大事なこととしては会議は事前準備で決まるということです。

事前準備で必要なことをいくつか挙げます。

  • 会議の目的を言語化する

  • 適切な参加者を決める

  • アジェンダを決める

アジェンダを決める際には、会議の始まりからゴールに至るまでの流れをシミュレーションしておくと良いです。また、実際に始めてみると想定通りにいかない場合もあるので、リカバリー用のアジェンダを用意しておくと安心です。

ここからは実際に会議が始まってから意識すべきことを挙げます。

議論前に行うこと

活発な議論を行うためには、発言し易い状況を用意することが大事です。そのためにはチェックインなどのアイスブレイクが有効です。

チェックインでは以下のようなことをその場の全員に問います。

  • 最近良かったこと

  • 会議に参加している今の心境

  • この場に期待すること

問い自体は簡単なもので良いと思いますが、全員に発言してもらうことで発言のハードルを低くし、場を暖めることができます。

また、会議における決め事、いわゆるグランドルールを決めるのも、心理的な安心感につなげる良い取り組みです。

議論で意識すること

議論中にファシリテーターが意識すべきことをいくつか挙げます。

中立的な立場を徹底する

参加者の集合知を掛け合わせて成果を最大化させることが重要です。そのためファシリテーターは中立な立場を徹底しなければなりません。

誰かの意見に賛同するとその意見が優位に働いてしまい、活発な議論が行われなくなり、良い結果にならない恐れがあります。

また、ファシリテーターが意見を主張すると、議論の渦中に巻き込まれ、会議を俯瞰して支援する役割を果たせなくなってしまいます。

沈黙を恐れて安易に発言してしまう人を見かけますが、場を混乱させるだけなのでそれは避けましょう。(沈黙を恐れない勇気も大事)

議論を逸脱しないようにする

会議には必ず目的が存在します。そして参加者全員、目的を理解している必要があります。

ですが、議論が進行していくと、いつの間にか目的に沿っていないことを議論している状況になることがあります。

特に議論が白熱している状態だと、相手の発言にばかり注目しがちとなり、本来の目的に沿っていないことに気づきにくいです。

ファシリテーターとしては、目的に向かって進行しているだろうか、というのを俯瞰して眺めることが重要です。もし目的に沿っていないと判断した場合は、話を元の流れに戻す支援をします。

支援の方法は以下が考えられます。

  • 論点を元に戻す提案をする

  • 議論する時間を決めておく

  • パーキングロットを用意しておく

パーキングロットは、逸脱した議題を置いておく場所です。
逸脱した議題とはいえ、参加者にとっては非常に重要なものである場合もあります。のちほど話を再開できるように、一旦そこに置いておいて、今は本来の目的に集中してもらいます。

発散と収束

会議の進め方としてはまずは発散を行い、議論を広げていきます。
ある程度発散しきったタイミングで収束に向かってファシリテートしていきます。

発散の場では、どんどん話を広げていって問題ないのですが、前述した議論を逸脱しないことを意識します。

発散した内容を元に、話を収束させていき会議の目的を満たす結論を出していきます。

この発散と収束ですが、一回の会議できれいに回すのは難しいかもしれません。その場合は、複数回に会議体を分けて、初回は発散だけする会議をアレンジするのも手だと思います。

私が考える理想の収束ですが、ファシリテーターとして想定していた結論を超える結論にたどり着けるのがファシリテーターとしての本望ですし、理想だと考えています。

さいごに

ファシリテーションについて自分の考えの一部を紹介しました。
まだまだ考慮すべきことはたくさんありますし、奥が深いのがファシリテーションです。

そして私自身、まだまだひよっこファシリテーターだと思っているので、実践や学習を通して研鑽を積む必要があると思っています。

ファシリテーション自体はどの職種の方にも役立てられる能力ではあるので、多くの方に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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