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着物の話 〜進めば進むほど奥が深いという感じ…

着物や着付けについてはちょこちょこと書いている。
実家に遺された大量の着物群はそんなわけで目利きに見てもらってかなり量を減らした。
とは言え、かなりある。
着ないともったいない。
私だってそう若くはないので、せっせと着ないとまた負の遺産になる。
と言っても、だ。
もったいない、とは言え、
日常に着物を着るようにはなれないので、ある程度限られた場面で着るしかない。
と言うのはどうも、日常に着物を着るようになるためには日常用の着物を揃えないとダメみたいなのだ。
いや、誰かに言われたわけじゃないからその認識は間違っているかもしれない。でも。

価値のある着物だけを残した、と言うわけではない。元々、価値のある、良い物、職人技だったり、見るからに品質が良い物だってり、つまり元のお値段のお高そうな物が多かったのだ。
だから、処分した物たちだってけして安物だったわけではない。たぶん。
残された着物たちを、じゃあどんどん着てみよう!と見回して、
『いやこれ、普段に着て料理作ったり犬抱っこしたり出来るかな?出来ないよな、しないよなフツー』と気付いたのだ。
元値を知らなくたってわかる。
こいつら絶対、普段着にはならない。
顔でわかるよ。
それにさ、汚れてもぱっと洗ったり出来ないんだよ?
どうしろと?(笑)
やはり家で洗えない物を着て家事は出来ないよな。
ゴロゴロその辺転がったり出来ないよな。

ではせめてお出掛けに着よう。外出着にするのだ。
買い物とか犬の散歩とか、ジム、美容院、ネイルサロン、整体マッサージ、以外の外出。
って、あまり行き先が残らないんですけど…。

祖母はどこにいくにも着物だった。
時代かな。
普段着の着物ももちろん持っていたんだろう。
何となく、祖母の思い出として、うすねずみたいな、くすんだ小豆色みたいな、
いつもそんな着物で過ごしていたな。
あれはたぶん普段着だったんだろう。
時々はクリーニングに出していたかもしれない。
下着はしょっちゅう洗濯に出していた。
洗うのは嫁である母だ。
我が家では早い段階から全自動洗濯機だったけれど祖母のものだけで一杯回していたのではなかったかな。
そうだ。お着物は洗わないけど下着は毎日のように替えて洗っていたんだ。
それでいつも清潔を保っていたわけね。
お医者さん行く時はどうしていたんだろう?
まあ、時代も違うし、まだあの頃はお着物でお医者さんに行く人もまだいたんじゃないかな…。

まあとにかくそんなわけで
私には普段に着物を着ることが無理そう。
お出掛けにはなるべく着物を、と最近は近所でやる飲み会にも着物を着て行ってみたりしている。
来年早々に高校時代のクラス会があるからそこも良いターゲット。

母と伯母の残した着物群をあれこれと漁ってみて、ハタと手が止まる。

く、組み合わせは?

買った時は絶対、
「このお着物にはこちらの帯ですよ」
とか
「帯揚げはこれで、帯締めはあれね」なんて
基本の組み合わせがあったはず。
が。
それがわからない。
単に色合わせだけではないし、
繊維の手触りの違いや、染と織りとか、格式とか季節も、着て行く先に対するマナーみたいなものも。

色んな要素があり過ぎて決められないのだ。

今から思うと何もわからないうちは良かった。
持ってる物、手近にある物を闇雲に合わせるしかなかった。
それでもたまにはヒットが出せたりして、そこそこ良いコーディネートが出来ていた気がする。
それが、少しわかって来たらどんどん出来なくなった。
もう少しわかるようになって来たらたぶんもっと悩むんだろう。

知れば知るほど奥まって行く。
これがいわゆる「沼」ってやつなのか?
着物と帯、そして帯揚げと帯締め。草履や下駄。
その組み合わせを瞬時に決められるようになったらたぶん一人前だ。

まだ道は果てしなく遠いな…。






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