(エステは)石のスープ
前から思っている。
エステって石のスープだな。
ん~ 石のスープじゃなくてスープの石だったかな。
どこかの昔話だか民話だか、私が子どもの頃読んだ記憶ではこんなお話。
>>>
ある村にぼろぼろになった旅人がやって来て、食事を乞うが断られる。
旅人は「それなら鍋と水を貸してください。私は美味しいスープの作れる石を持っているので」と言う。
村人達はビックリして、そんな不思議な石があるならと面白がって
鍋と水を持ってくる。
旅人は水に石を入れて煮始める。時々味見なんかしながら
「これだけでも美味しいんですけど、これに○○を加えるともっと美味しくなるんですよね~」と言葉巧みに
塩とか野菜とか肉とかいろいろ持ってこさせてグツグツ煮込んで美味しいスープが完成する、というお話。
子どもの頃これを読んだ私は
これって、村人は誰も「それもう石関係ないじゃん」と突っ込まなかったのかな?とか
そういう、素朴過ぎる村人をちょっと滑稽に思う(馬鹿にしてる)話なのかと思っていた。
ちなみにちょっと検索してみたら、
協力を得るための呼び水としてとか、それぞれ自分の持っている物を出し合って合わせることで何かを達成することが出来るとか、美味しいスープが出来て旅人も村人もみんな仲良くなりましたみたいなほのぼのエピソードとか
どちらかというとポジティブな使い方でびっくり。
「ちょっとちょっと、村人だまされてない?アホなんじゃない?」という風に受け取ってしまうなんて…子どもの頃の私ってひねくれてるな。
いや今でもひねくれてないとは言えないのでずっとひねくれてるなと。
と、話が遠回りを始めているけれど、私の実感ではとにかく、
エステとは石のスープである。
(断言してみた)
じつは、エステに通っている。お顔のリフトアップとかアンチエイジングとかじゃなくて、いわゆる痩身系である。もうかれこれ足かけ二年も…。
『エステじゃ痩せない』というのはわかっていた。
でもなんか、やってみたかったんだと思う(笑)。
そこにあったのは「金でなんとかならないか」という安易な気持ちだろう。
楽して痩せたい。
お金をかけたら痩せられるんじゃないか。
痩身エステってやっぱりお高いから。
それがネックなら思い切ってお金をかければワンチャン叶うんじゃないかと見た甘い夢。
何回か分まとめて払うから余計お高いのだ。
美容院代だって10回分まとめて払ってチケット制とかだったらいきなり大きな金額が飛んでいくことになる。ネイルサロンだってそうだろう。
ただ、美容院やネイルサロンは明らかに髪が短くなるとか染めてもらうとかオシャレなデザインネイルが指先に現れるとか、目に見える変化があるのでその金額に納得がいくが、エステは。
目に見える効果が…あるような、ないような。
エステだけでは痩せません、と、それはエステティシャンの人にも言われた(え!? って思った)。
「エステに通っているからって、暴飲暴食を続けたり、運動も何もしないでいたりしたら、その効果はなかなか出ませんよ」
と言う言い方だったかもしれないけれど。
「そういう人も居ますけどね。すごく時間が掛かるんです」
と言うようなdisりオチ付きで。
それでも「あなたがみっちりと体にまとっている『固くなっている脂肪』は、ダイエットや運動だけではなかなか落とせないんですよ、それだけで落とすのは大変です」、と言うのだ。
機械でゴロゴロもみしだいたり、ゴッドハンドのエステティシャンさんが渾身の力を込めてハンドマッサージを施してくれることで、凝り固まった脂肪を柔らかくして、落としやすくする、のだそうだ。
なるほど!そうだったのか!と思った。
「これだ!」と。
これ、だったのかもしれないけれど。
ちなみに現時点で
暴飲暴食を続けていたり運動をしないでいたりしていないし
どちらかと言うと当社比ではずっと、
かなりストイックな暮らしぶりになったと思うけれど
予定通りには痩せてはいない。全然。
通い始めて一年後、つまり去年、体重はほとんど落ちなかった。
しかし、特定健診で懸案だった「腹囲」と「中性脂肪」は落ちた!
背中のお肉が少し落ちて、着物を着る時に補正が必要になった!
その前年履けなくなっていたジーンズが履けるようになった!
すごいじゃん。でも。
それがエステの効果かと言われると…。
エステに通い始めて三ヶ月後から週一のペースでジムのプールで泳ぐようになったことは関係ないかしら、とか。
同じ頃、あるダイエット本の方法に共感してそのメソッドでレコーディングダイエットを始めたこととは関係ないかしら、とか。
十日におきくらいにエステに行くと、体重の他、ウエストや腹囲を計測される。
それが怖くて(笑)、エステに行く数日前は普段に増してダイエットを意識するようになる。
意識高くダイエットを進めるというのなら良いけれど、時としてそれは食べたいお菓子を見つけて「明後日エステだからその後に食べよう」という時間ずらしになるだけだったりもする。
でも、しないよりいい。
そして何より「高いお金払ってるんだから、その効果を無駄にしたくない」という思い。
それで頑張っている気もする。
意識は他にも変わって来た。
間食が減った。水を飲むようになった。
甘い物は甘い物を呼ぶそして甘い物以外のオヤツも呼ぶ。
甘い物を食べているとクセみたいになって、一日一回は食べないとね、とかコーヒーを飲むときには必ず甘い物を摂る、とかいう風に
日常に甘い物が知らず知らず増えていく。さらに
「甘いものを食べると辛い物が欲しくなるよね」と言ってチョコのお供にはお煎餅、とかポリポリかじり始める。
相対的におやつ、間食が増えていく…増えていた。
それは、減らしてみてわかった。減っていって気付いた。
甘い物がなくても休憩は出来るしコーヒーも飲める。
あ、ただ、脳を使うお仕事の時は糖分で脳のエネルギーを補う必要はある。それはおやつとは別の話なので摂ってください。
水を飲むと言うことも、1年半かけて私の日常になんとなく根付いた
ただ、よくあるような「一日2リットル飲みましょう」とかそう言うのは違うかな。
喉が渇いたときの選択肢に「水」が出来たという感じ。
それまでは喉が渇いたらお茶とかコーヒーを休憩を兼ねて飲んだり、
さっぱりしたいから酸っぱいジュースとかシュワッとした炭酸とかそういう喉ごしみたいなものをイメージして喉の渇きを癒やしていた気がする。
そこにシンプルに「水」を飲むようになった。
水道水を冷やして飲む。
水道水が怖いとか、ミネラルウォーターが体に良いとか、ウォーターサーバーを置きませんかとかそう言う話しはとりあえずナシで。
喉が乾いたらシンプルに冷蔵庫で冷やしてある水を飲む。
それがかなり習慣化した。
夏は熱中症が心配だから特に水を飲む。ただ水を飲んでも吸収しないからスポーツドリンクを…去年はそう言って味のある水を飲んでいたけれど最近それがあまり好きではなくなった。水を飲む。
部活をやっているわけじゃないし、そこまですごい汗をかくこともないのにスポーツ飲料なんてかえって喉が渇いていたよね。シンプルに水を飲む。ちょっと怪しいときはむしろアメを食べる。
夏はしっかり食事を摂って、その時に普通に塩分も摂って水を飲んでちょうどいいんじゃない?昔ながらに梅干しのおにぎりとか、塩昆布とか。夏だけのお楽しみってことで。
と言うのが現在地。
少し意識が変わって食生活や行動や生活習慣が変わって運動習慣が少し出来て少し体脂肪が落ちて筋肉量が増えて背中の肉が少し落ちて体重はほぼ変わらない。
エステの効果は未だにわからない。でもエステに付随する何かが少し変わってきたそれはエステという石を入れたスープを作っているからかなと思い始めている。
だから、本当は「石」なしでも美味しいスープが出来る(エステに通わなくても今の食生活や運動習慣などを続けていればいずれ痩せる)ような気もするけれど、今の私にはまだ石を捨てる勇気がない…という感じ。
いずれいつか
「あー違ったもう、やめだやめだ!全然効果ないし痩せなかったよちきしょー!」
って言う日が来るかもしれないしその時コッソリこの投稿を消すのかもしれないけれど、とりあえず今の、経過報告シンプルな感想は
エステは石のスープである これに尽きる。
つづく … かも
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?