失敗を笑い合おう。

 アメリカ駐在中に何回か、一緒に働く同僚10人くらいで出張すると言う企画がありました。
もちろん、こういう時は皆んなで昼食や夕飯を食べに行きます。

出張に行くメンバーは基本一緒に仕事をしている人達なので、話をすることに特にプレッシャーや戸惑いを感じることはありません。

しかし、年齢のレンジが広く、下は20代から上は50代後半という集まりでした。

夕飯を食べに行くと、もちろんお酒を飲みます。
お酒を飲み始めると趣味の話や家族の話など色々と盛り上がります。

駐在初期に、こう言った集まりの時に苦手な話題がありました。

それが、過去の自分の失敗談をみんなに話して笑い合おうというものです。

これの何が難しいか?
まず、笑える失敗と笑えない失敗の境界線が、
文化ごとに確実に違うのです。
日本で笑いあえる失敗を話してみると
明らかに、年代関係なくドン引きされたりしてしまうのです。

しかも、失敗の話をする時に、
単語のチョイスが悪いと、失敗が大した内容にならなかったり、大した内容でも関わらず大失敗として笑えない内容になってしまうのです。

つまり、お酒に酔った状態で、
異文化でも笑えるレベルの失敗談を
良い感じの単語を選びながら、
様々なハラスメントに引っかからないような
みんなが笑える様な話をしないといけないのです。

書いているだけで、どれだけ難易度の高いタスクなのか背筋が凍ります。

初めて、この話が展開される輪の中にいた時、本当に困りました。
そして、少しずつ私の順番が近づいてきます。
プレッシャーで皆んなの話なんてちっとも入って来ません。
自分は何を話すか考えながら、みんなが笑うタイミングで笑うふりをするしかありません。

そして、自分の順番が来た時
学生時代に友人と旅行した時に経験した不思議なディスコの話をしました。

完全に、見事なまでにど滑りしました。
もちろん、笑うポイントと思った所で全く反応もなく。

話終わった時には、酔いも完全に醒めて脂汗をかいた私が燃え尽きて座っていました。

いま、冷静に振り返っても
その話は、あまり相応しい失敗談ではなかったなと思います。

もしも、皆さんが海外の人とお酒を飲みに行く時、この様な席で話せるちょうど良い失敗エピソードを用意しておくと良いと思います。

まずは、飛行機での失敗談や、トランジットに乗り遅れた話、渋滞で大遅刻した話くらいがちょうど良いかと思います。

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