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「都会の鳥の生態学」を読んで

久しぶりに鳥関係で面白い本に出会いました。
「都会の鳥の生態学」(中公新書)

図鑑なども含めると鳥関係の本は数十冊持っていますが、どちらかというと写真主体の本が多く、読み物としての本はそれほど多くありません。

著者の唐沢孝一さんは御年80歳。
しかし本を読む限り、年齢を感じさせる古臭い文章ではありません。

コロナ禍以降の記述もあり、最近の知見も取り入れた楽しい本でした。
巻頭にはカラー写真も使用し、それも鳥の珍しい生態写真もありなかなか貴重なものではないかと思います。

イソヒヨドリの都会進出にはじまり、定番のツバメやスズメの話、そして都会の鳥では避けて通ることのできないカラスの話など、これまでもある程度知っている部分もありましたが、最近の研究、調査で判明した新しい事実なども盛り込まれて、鳥好きには堪らない内容になっています。

どちらかというと東京を中心にした話が多いです。
私自身は東京の出身ですが、すでに東京を離れて30年経っているので、カラスが都心で少なくなっていることや、猛禽類が増えていることなどは実感として分かりませんでした。

今住んでいるところは札幌の近郊で、自然が豊富な場所なのでなんとも言えませんが、それでも定点観測していると少しずつ繁殖している鳥の変化などを感じることがあります。
それが再開発の盛んな都会だと、短期間の間に取り巻く生態系が変化していくのは想像に難しくありません。

都会に限らず地方の環境も年々変化しているので、私自身も自然界の変遷を野鳥の観察を通して見ていけたらと思っています。

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