日記2022/12/25

クリスマスだが本を読んでいた。面白かった。

図書委員シリーズの第二弾である。図書委員の堀川次郎と松倉詩門が、瀬野という新キャラとともに、栞に挟まれたトリカブトを巡って奔走する。

この本には大なり小なり嘘が多い。主人公たちさえちょくちょく嘘をつく。どうしてそんな嘘をつくのかというような細やかな嘘も丁寧に取り上げられていて、人間関係の機微を細かく描写している。いつだって人は大なり小なり嘘をついているし、他人に見せる側面というのは自分の考えのほんの一部分である。

前作「本と鍵の季節」の結末に対する回答も書かれている。

前作同様、結末は必ずしもハッピーエンドではない。少し暗いところがあるのが図書委員シリーズだと思う。本書も米澤穂信作品の例に漏れず本格ミステリに分類される。謎の供給と伏線の回収がテンポよい。小さな謎解きがたくさん散りばめられていて、一気に読んでしまった。本を置くタイミングを見失う一冊である。ハッピーエンドでなくても満足感を与えてくれる。ミステリ好きならきっと楽しめる。

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