映画「君たちはどう生きるか」を観て、どう生きるかを考える
*映画のネタバレはありませんのでご安心ください。
7月14日、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」が公開初日を迎えた。前日の夜はドキドキして興奮してあまり眠れなかった。
朝9:10に六本木のTOHOシネマズで鑑賞した。まだ余韻が醒めないなかで、これを書いてみたくなった。
1.自分はどこから来てどこにいくのか
今、僕は映像制作会社を経営し、映像やいろいろな事業のプロデューサーを主な仕事としてやっている。昨日、昔の写真を整理していたら自分でも初めてみる家族写真が見つかった。
若かりし頃の父と母と姉に囲まれて、父の膝の上に乗っているのが僕だ。父は建設会社、母は専業主婦だったが、もちろん仕事の話なんて分からないし、「君はどう生きるか」なんて考えなくていいある意味では幸せな時代。
もう1枚、はにかんでる写真を見つけた。
母が撮ってくれた写真でとても気に入っている。
今思うと、この写真、プロデューサー巻きをしている。おそらく母なりのコーディネートだったのだろう。まるで未来の自分がどう生きるかを暗示していたかのようだ。(もちろん普段プロデューサー巻きはしていない)
自分の会社での役割といえば、プロデューサーという肩書きながら、ミツバチみたいに、いろんなところへ飛び回って、みんなに新しいチャンスやつながりをもたらすことだ。ちょうどミツバチが花の蜜を集めて巣に持ち帰るように。
ブンブンブン、蜂が飛ぶ〜 ♪
と歌って飛び回るほど陽気ではないが、いろんなところに飛び回ることができるのは、理解ある仲間たちのおかげ。
また、ある時、蜂の巣の形状=ハニカム構造はかなり頑丈である、という話を聞いたことがあるのを思い出した。(いつもミツバチのことばかり考えているわけではない)
正六角形の連なりによって、衝撃が五方向に分散されるから強いらしい。
2.人生をハニカム構造で考えてみた
「君たちはどう生きるか」と尋ねられても、先がなかなか読みにくい時代だしパッと答えるのは難しい。ただ、どんな時代の変化があっても、衝撃に耐えて楽しみながら世を渡るメンタルは持ち合わせたい。僕はふと人生のプランをハニカム的に考えてみるといいのではないかと思った。
試しに「仕事ハニカム」をつくってみた。
僕にとっては見慣れたサービスロゴが、ハニカムにあてはめた瞬間、なんだかいつも以上に頼もしく見えた。
センターの会社ロゴが6つの事業に守られているようにも見えるし、6つの武器を持っているようにも見える。
続いて、「人生ハニカム」をつくってみる。
自分をセンターに置いて、自分を構成する要素(=主に時間を割いているもの)を6つ考えてみて配置する。
さらにこれを「中央ハニカム」にして、それぞれの6つのさらなる細分化したハニカムをつくってみる。中央ハニカムを構成するものは、わかりやすいように赤枠にしてみた。
実際、すでにやっているものもあれば、これからやりたいもの、まだ未知数のものもあるので、それらは自分なりに色分けしておく。
僕にとってのこのnoteもハニカムの大切な1つの要素だ。「Creation」の中の「Essay」というところに収まっている。
3.人生プランをハニカムで考えるコツ
コツとしては、文字だけ入れるのではなく、イメージボードみたいに何らか画像やロゴ、アイコンみたいなものを入れると、より直感的に自分のやりたいことが整理されて見えてくる。
これをつくってみて良いと思ったのは「隣り合わせになるハニカム」は、相互作用を及ぼしそうなものを配置してみることだ。
たとえば上記なら、「旅行」と「noteを書くこと」は僕にとって別々のものだが、かなり近い位置関係にある。旅行記を書くのも楽しみの1つだからだ。
こうすると、一見やってることがバラバラに見えても、実は自分の中では密接に(あるいは緩やかに)繋がっていることが実感できる。
もちろん中身はどんどん変わるかもしれない。履歴を残しておいて変化を見るのも面白そうだ。
4.人生ハニカムをつくってみて良かった2つのこと
人生ハニカムをつくってみてわかったことは2つある。
1つ目は、自分という存在が、色々な「好きなもの」や「やりたいこと」、家族や友人など大切な人たちとのつながりによって強く守られ、構成されているということ。自分の原点を可視化できたような気がする。
やりたかったけどやれてないことをすぐに思い出せるし、重要度の低いものにとらわれる必要もないことを知る。
2つ目は、自分の中の多様性を見つけられ、自己肯定的な気持ちが高まること。ワクワクするものしかここには入れたくないし、複雑怪奇な自分というものの本質とよりつながれるような気がした。
5.まとめ〜評価バイアスを抜け出して〜
これは誰でも正六角形を書けば簡単にできるので、もしよかったらみなさんも試してみてくださいね。パソコンじゃなくて手書きでもいいと思います。それに、僕みたいにたくさんハニカムがある必要もないと思うし、もっと増やしてもいいと思う。
僕が宮崎駿監督の最新作を公開初日朝イチで観たのは、否応なくネットニュースやSNSで作品に対する感想や評価を目にして、何らかの先入観を持って映画を観ることになると思ったからだ。
よく著名人のコメントや前評判みたいなものが宣伝に利用されるが、ここまで中身が隠されたまま公開となると、久々に未知のものに出会える喜びに胸が高まった。
良くも悪くも評価に触れてしまうと、
「あの映画評判良いらしいから観てみよう!」
「あの映画、後半つまらないらしいからやめておこう!」
みたいな事になりかねない。もちろんそれも悪くはないけど評価バイアスがかかった状態で観ることになる。前評判との答え合わせをしに映画を観に行くみたいになる。
なんたって、みんながすぐに評価したがる時代だ。AmazonレビューしかりGoogleマップのレビューしかり。もちろん、それに助けられたことも何度もある。
でも、いつのまにか、自分の人生プランさえ、他人の評価を気にしてしまう自分に気づく。評価バイアスがかかった状態で人生を設計してしまいそうになる。
未知なるものを目指す事で失敗することもあるだろうが、得られる喜びもまたそれ以上に大きいこともあるだろう。
そんな未知へ挑むためにも、あらゆる評価の衝撃に耐える意味でも、僕はこのハニカム構造で人生プランを考えてみるのはアリだと思った。
もちろんこんなツールに頼らなくたって「君たちはどう生きるか」に応えられる術はたくさんあると思うけど、ハニカムで自分というものを知る一つのキッカケにしてもらえたら、このnoteを書いた甲斐があるので嬉しいです。
(我が物顔でハニカムの魅力を語ってますが、私は単なるハニカム好きな通りすがりの一般人なのであしからず)
というわけで、みんなで自分らしく、人生をハニカもう!
(しーん)
おあとがよろしいようで。
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