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GAFAのCEOと密談❗❗❗💰年俸10兆円💰だすからウチに来ないかって誘われました❗❗❗でも断りました❗❗❗

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沈黙を破ったのは、CEOの一言だった。

「…大事なことから話をさせてください…あなたのつくったAIを買わせていただきたい、と先日メール差し上げました…あれは、私、そして我々GAFAの本心であります…しかし…」

「しかし…?」

「私は、私の、いや、我々GAFA全員の本心を、いま、あなたに打ち明けます…!我々がいちばんほしいものは、あなたの頭脳…いや、あなた!あなた…!あなた…!あなたそのものなのです…!」

ぼくは、ぼくが毎日スタバに行って人差し指2本でつくっていたAIを50兆円で買ってくれるものかと考えていたので、この話にはいささか驚いた。

「あなたには、我々GAFA総員が束になってかかっても、かなわないと、我々のAIが結論づけたのです…!悔しいですがこれは事実です…。認めますよ…。我々はその程度には、我々がつくったAIに信頼を置いているのです…そこで…」

「そこで…?」

年俸10兆円をご用意しました。これで、我々GAFAの一員になっていただけませんか…?」

部屋のすみで、なにかがことりと音を立てて倒れた。それは先月妻がフェラーリを買ったときにもらったノベルティなのかもしれなかった。

「お断りします。」

ぼくは言った。

「………なぜ…?なぜです…?年俸10兆円、決して悪い話ではないと思いますがね…。5年も働けば…、50兆円!50兆円ですよ…!私の年俸の何倍だと思っていらっしゃる…!?我々がいかほどの決意をもって、あなたにこの話をしているとお思いで…!?それに、当社のオフィスでは、有機野菜をつかったランチが無料で食べ放題なんですよ…!」

CEOの唇はわなわなと震えていた。必死におさえこんではいるがその怒りは今にも彼のやわらかな顔つきを突き破って燃え上がろうとしていた。10兆円のオファーを断られたのが、よほどしゃくにさわったらしい。

「落ち着いてください!落ち着いてください…!ぼくの話を、聞いてください…!」

「………」

「ぼくは…ぼくは、自由でいたいんですよ…!毎日、好きなときに起きて、好きにスタバに行って、好きなヘヴィ・メタルを聞きながら、人差し指2本で世界を変えるAIをつくる…!これこそが、ぼくがずっと昔から求めていて、ようやく手に入れた、理想の生活なのですよ…!それを失うくらいなら…ぼくは…、ぼくは、このビンテージのバウハウスのテーブルも、この港区のタワマンも、世界で5台限定のフェラーリも…、ぜんぶ、手放したって、かまわない…!かまわないですよ…!」

「………」

まるで沈黙がタワマン全体を包んだみたいだった。窓の外に見える東京タワーには薄く雲がかかっていた。麻布十番の町の賑わいが、ずいぶんと遠くなったように感じられた。

「…よくぞ話していただきました…。わかりました…。わかりましたよ………。あなたのお気持ちのこと…よく…よくわかりました…。えぇ…。ほんとうに…。ほんとうに………。」

ぜんぜん納得しているようには見えない表情のCEOが、そう言った。

「それではあなたのAI…買い取らせていただきましょうか…50兆円で…」

ぼくはMacBookProにUSBメモリをさして、AIのデータをいれた。

そのときだった。CEOの隣に静かに座っていた若い男が、初めて口を開いたのは…。

To Be Continued…








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