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従業員エンゲージメント~障がい者社員と企業の絆~

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前回は「心理的安全性」について、障がい者社員が安心して働くためのポイントとは何か、をお伝えしました。小さな気遣いや雰囲気づくりによって信頼関係を育み、心理的安全性を高めていくことが障がいのある社員の精神的安定と定着に大切でしたね。

そこで今回のテーマは「従業員エンゲージメント~障がい者社員と企業の絆~」


昨今、「エンゲージメント(engagement)」という言葉が良く聞かれるようになりました。言葉の直接的な意味としては「婚約」「制約」「約束」「契約」などとなります。

ビジネス用語としては、「従業員と職場の関係性」「自社と顧客の関係性」を指す際に用いられます。対顧客については、信頼関係を築き愛着を持ってもらうことで継続した売上などを生み出すこととなりますが、対従業員についてはどうでしょうか。

従業員に対してのエンゲージメントを「従業員エンゲージメント」といいますが、似た言葉で「ロイヤルティ(Loyalty)」と「従業員満足度」があります。この3つの意味を比較してみましょう。

・従業員エンゲージメント

従業員は企業に対して貢献することを示し、企業が従業員の貢献に対して報いることを示す、企業と従業員が双方の関与によって結びつきを強めていくこと

・ロイヤルティ

「忠誠心」という意味で、従業員が企業や組織に対して忠誠心を持って行動するということ

・従業員満足度

給与や福利厚生などの待遇、業務内容や人間関係を含む職場環境などにどれだけ満足しているか


以前日本の企業では企業への忠誠心、つまりロイヤルティが従業員のモチベーションの柱となっていました。しかし現在では、スキルや待遇のアップを求めて転職することが当たり前の時代となっています。そうした時に、従業員エンゲージメント・従業員満足度を高めることが重要となってきます。

これは障がい者雇用の現場でも同じことで、従業員との関係性が良くなければ、定着は図れません。従業員満足度は、企業側が努力・提供することで上がりますし、満足度が高いからといって企業の業績が上がることとは必ずしも比例しません。

対して「従業員エンゲージメント」とは、従業員の自社・組織への貢献意欲を引き出すもので、双方の関わりによって企業のレベルアップをしていくもの、となります。従業員が期待するものとしては、給与や設備などといった「待遇」もありますが、人間関係や職場とマッチしていると思える「働きやすさ」、仕事に対しての熱意が持てる「やりがい」、職場が目指すビジョンや企業の社風などに従業員が共感できている「愛着心」と様々な要素があります。


では、障がい者雇用ではこうした点について考えられているでしょうか。

障がい者社員は、特に業績と関わる業務は担当していないからエンゲージメントは考えなくても良いのでは、という企業もあるかもしれません。しかし、障がい者社員でもそうでなくても働くためのモチベーションは必須です。

この会社で働いて良かった、この会社のために頑張ろうと思えなければ、不満や不安から不調を引き起こす要因になるかもしれませんし、せっかく定着していた社員が離職するきっかけになってしまうかもしれないのです。

以前メルマガにて、障がい者社員に対して情報提供が必要というお話をしたことがあります。自身の仕事がどう会社に貢献しているのか、どのように会社に役立っているのか、など障がい者社員は理解しているのでしょうか。指示された業務を黙々と繰り返すだけであれば、誰しも不安を覚えます。

しかし評価や目標があることで、やりがいや会社への愛着が生まれます。障がい者社員の定着が安定すれば、それは企業にとっても有益があるはずです。障がい者社員が長く定着していくためにも、従業員満足度だけではない「会社に貢献している」という帰属感を持ってもらい、戦力として社会人としての自覚を促すことが今後の障がい者雇用を進めていく上で考えなければならないことだと思います。


障がい者社員が自社に対してどのような思いを持っているか。伺う機会をつくってみてはいかがでしょうか。

「この会社のために仕事を頑張りたい」という意見が多い企業は、従業員エンゲージメントの高い、障がい者雇用がうまく進められてる企業かもしれません。


最後までお読みいただきましてありがとうございました。障がい者雇用に関する企業向けの記事はメールマガジンでも配信していますので、無料購読のご登録をよろしくお願いします。

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