心理的安全性~障がいのある社員に安定して働いてもらうためのポイント~
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先日は関東にも積雪が観測され、益々寒さを増してきました。それに加えて、新型コロナウィルスの変異株が猛威を振るい各地で過去最高の感染者が出ています。感染対策を徹底し、自分だけでなく周りの人も守っていきたいですね。
さて、本日のテーマは「心理的安全性~安定して働いてもらうためのポイント~」
近年、「心理的安全性」という言葉が注目されていますが、ご存じでしょうか。
・「心理的安全性(psychological safety)」とは
チームの中でどのような発言をしたとしても、メンバーから嫌われたり関係が壊れたりすることなく、安心して自分の意見や考えを言える状態のことをいいます。
組織行動学の研究に取り組むハーバード大学のエドモンドソン教授が、1999年に提唱した心理学用語で、「このチーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の思い」と定義しています。
これは、チームが単に仲が良いとか、発言によって罰せられないルールがあるとか、そういうこととはちょっと違います。誰にどのような発言をしても罰せられない「雰囲気」「暗黙の了解」があるということなのです。
一般的なビジネス解説としては、チームの上下関係がなく誰もが気づいたことを発言できる雰囲気があれば学びの機会も増え、それだけ業績が上がりやすくなると言えます。
米Googleが2012年から行ってきた生産性向上計画においては、チームの能力や働きよりも、他者への心遣いやどのような意見も安心して発言できるという心理的な要素が、生産性に影響しているという結果が出たそうです。
・障がい者雇用においても重要な心理的安全性
では、心理的安全性が障がい者雇用の現場でどのように作用するのでしょうか。まず、心理的安全性が低い順に社員にどのような感情が生じるのか見てみましょう。
・無知だと思われる不安
・無能だと思われる不安
・邪魔をしていると思われる不安
・ネガティブだと思われる不安
自分の発言や行動が「そんなことも知らないのか」「こんな簡単なこともできないのか」「忙しいのに業務を妨げている」「いつも他人の意見を否定する」といったように思われないか、不安になることが挙げられます。このような不安から、無知と思われないように知ったかぶりをする、無能と思われないように発言・質問を控える、ネガティブと捉えられないように否定的な意見を言わない、といったことが起こる可能性が出てきます。
障がいのある多くの方にとって障がい者雇用で働くということは、障がいを理解してもらい安心して働けるというメリットを持ちつつも、障がい者であるということが職場に迷惑をかけていないか、自分は役に立っているのか、といった不安が隣り合わせであることを理解しておかなければなりません。困りごとや意見を口に出せない、出しにくいといった環境であると、心理的な不安はより大きくなるでしょう。
ただ障がい者社員の言うことをなんでも聞き入れなければならない、といったことではありません。心理的安全性は全体に共通の認識である必要がありますので、お互いに言いたいことが言える・聞いてもらえる、という環境であることが求められるのです。
例えば、合理的配慮は本来、お互いにしっかりと話し合った上で「できること」「できないこと」を調整していくものですが、ここに配慮や不安があればうまくいきません。双方が納得して気持ちよく働く環境にするためにも、「心理的安全性」が重要なのではないでしょうか。
・心理的安全性の確保のために
障がい者側は自己を尊重してもらえることにより、モチベーション向上やストレス軽減に繋がります。雇用側も、社員の精神的安定と定着に繋がっていくメリットがあります。障がいのある方の意見を聴く機会を設けたり、日頃からコミュニ―ションを意識したり、ポジティブな考え方を心掛けたり、できたことは褒めたり、といった小さな積み重ねが信頼関係を育み、安心して自分の意見や考えを言える状態=心理的安全性を高くしていくと考えられます。
難しいことをするわけではなく、気遣いや雰囲気づくりが安定して働くためのポイントだと捉えてみてはいかがでしょうか。「心理的安全性」が高い職場は、障がい者雇用でも定着の安定性が高い職場となります。
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