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【企業向け】サポートスタッフの条件~求められる資質とは~

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前回は、サポートスタッフに対する雇用管理のポイントをお伝えしました。
サポートスタッフは、障がい者社員の対応をする上で、様々なストレスを受ける環境に居ます。
ですから、現場任せにせず、サポートスタッフへのサポートをしっかりと行うことが、障がい者雇用を安定継続させるポイントの一つ、という内容でした。

では、そもそもサポートスタッフに求められる資質とは何でしょう。
どんな人がサポートスタッフに向いているのか、障がい者とどんな対応をすることが望まれるのかを、改めて考えてみたいと思います。

まず、障がい者をサポートするスタッフには、どんな要素が必要なのでしょう。
障がいに関する知識、メンタルヘルスケアの知識、支援機関などでの支援経験、精神保健福祉士の資格…。
経験や資格があるに越したことはありませんが、これだけの資質を有している人でなければ、サポートスタッフになれないというわけではありません。
本人にやる気があれば資格と同等の知識は後からでも学べます。

では本当に大事な要素は何でしょうか。

【観察力、コミュニケーション力、臨機応変な対応力、想像力】

経験があっても向いているとは限りません。
経験よりも上記の能力と心の健康が重要だと考えます。
しっかりと障がい者社員の変化や課題に気づける観察力。
相手の心を読み取り自分の考えを的確に相手に伝えられるコミュニケーション力。
「支援者目線」と「企業目線」の両面から物事を見ることができ、不測の事態にも臨機応変に対応できる力。
状況を把握し相手の立場や先の展開を予想できる想像力。
自分自身のメンタルケアに留意して、心の健康を保てる人物であること。
そして、それよりも一番に重要なことは、障がい者を「障がい者」というカテゴリーで見るのではなく、同じひとりの人間としてみることができるかどうか。
たとえ知的に障がいがあっても、意思も感情も持っている個人です。
その概念を持ちあわせていない人は、サポートスタッフに向いているとは言えないでしょう。
いかがでしょうか。
現場のサポートスタッフはどんな人物か、管理者側は把握しているでしょうか。

次に、実際の現場ではどんなことに気をつけて、障がい者社員と関わっていけばよいのか、簡単にまとめてみましょう。

〇社員への指導ポイント~障害特性に合わせた指導方法の確立~

【言葉の選択、量、タイミング】
社員が理解しやすい表現、長さ、話す内容によっての声をかけるタイミングなど
【聴覚的・視覚的指導】
手順の説明方法の検討、作業マニュアルの作成、手本を見せるなど
【環境とのマッチング】
 環境の整備、特性とのマッチング、対象者が仕事しやすい環境を検討
【休憩の取り方】
【コミュニケーションスキル、ビジネスマナー】

〇社員とのコミュニケーション・面談のポイント

【まずは信頼関係を作る】
・日常的な会話、趣味の話題などでハートをつかむ。
広い知識は必要なく、いかに相手から「話を聞いてくれる人」と思われるかがポイント。
人によって態度や言葉遣いなどの印象が違わないよう、公平な接し方を心掛ける
【特性に合わせた長さ・タイミング、言葉の選択】
・相手が理解しやすい表現、長さの言葉を選択。面談のタイミング(予定を決める)など
【共感力】
・同意ではなく理解を示す→対象者の考えに対して「わかる」は共感でなく同意。
・安易な同意は不信感や、齟齬が生まれるため注意、
・「あなたはそう思ったんだね」「あなたは辛いんだね」というのが共感“力”
【性急に助言しない】
・答えが明らかなものは良いが、本人だけの意見を鵜呑みにして回答はしない
【対象者・周囲双方からの聴取とすり合わせ】
・事実関係を明確にするため、関係者全てから情報収集した上で客観的に考える
【担当者一人で対応しない】
・数名とケース検討をした上で慎重に判断することが重要

〇社員へのメンタルヘルスケア

【日々の観察から対象者の変化を感じ取っておく】
・業務日誌などでの管理を併用しながら、些細な変化を感じ取れることが必要
【変化を感じたら早々に面談などの対応を実施する】
・早期発見早期解決が重要。些細なことでも特性や状況によっては悪化することもある
【医療従事者でない場合、医療面での助言はしない】
・知識があると医療面での助言をしたくなるが、医師の意見を確認した上で助言する

サポートスタッフは大変な仕事です。
ただ、雇用管理をしていく上で大切なことは、障がい者であってもなくても基本的には同じだと思うのですが、皆さんはどう感じられたでしょうか。
今後の障がい者サポートの参考にして頂ければと思います。

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