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「勉強」が気になる保護者さんへ

TSSが一般的な学校にあるカリキュラムや教科、そして先駆的といわれる教育の学校やスクールにあるプロジェクトなどをあえて設定していないのは、
生徒が個人の活動を全く自由に行えることで、自分で気づき考え行動する経験ができるようにしているためです。
また自由に1つのことをとことん探究したり、様々なことを試してみたり、他者と関わりコミュニケーションを積み重ねられるためでもあります。

そのため、生徒の”個人的活動”に優劣をつけず、また評価もしていません。
いわゆる一般的に勉強と呼ばれる教科も、他の活動と同じく自由な環境でいくらでも勉強できるようになっていますし、高卒と同等の学力があると証明される高等学校卒業程度認定試験(以下:高卒認定)までの範囲の最新の教科書も全て揃っていれば、過去問も揃っています。

高卒認定試験範囲の教科書全352冊全てに目を通し、基礎学習重視として揃えられた64冊

また教科やカリキュラム、ペース配分も、どのレベルから行うかも自分でつくれます。
一斉授業ではできない、得意な教科はどんどん進められ、苦手な分野はじっくりと行えます。
勉強とは、突き詰めれば個人で、1人で行うもの。
高卒認定も自力で勉強して合格しやすいものですし、苦手教科や突き詰めたい教科はスタッフや外部の方などのサポートを受ければよいのです。

教えてもらうために自ら交渉もする経験も学び

しかし生徒自身にそれ以上に学ぶことがある場合や、興味関心・必要性を感じていなければ生徒は行いません。
子どもが自分のことを行う・行わないは子ども本人の責任です。
もちろん、”社会的活動”である他者に影響を及ぼすものであれば別ですが、勉強をするしないの第一義的責任は子ども自身にあり、そして直接的には個人的活動です。
大人は子どもの領域を越境せず(国際問題ならぬ親子問題になります)、「なぜ自分は子どもに勉強させたいのか」や「何に不安があるか」を一度内省してみましょう。

そのうえで、
「子が自分で考えてやっていけると信じてみよう。でも勉強でも他のことでも、子が手を貸してほしいと言ってきた時のために、自分に何かサポートできることはないか考えてみよう」
と考えてみるのはいかがでしょうか。
自分が子どもだったらなかなか(かなり)素敵な大人のスタンスではないでしょうか。
これも自立した大人としての子どもへのサポートだと思います。

共に学び合う

もちろんすぐにはできないことですし、私たちもいつまでたっても反省する事ばかりです。
そのためアメリカで50年以上サドベリースクールのスタッフをされている方に相談したところ、
「私たちもいまだにそうよ」
とのこと。

でもその信頼と応援する姿勢が、子どもにとって必要な栄養だと信じています。
子に必要なのは冷たい吹雪や炎天下、そして雷ではないのですから。

(スタッフ 杉山)


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