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いやしの湯改め、会長の湯

別府温泉ルートハチハチは基本的に別府に縁のある人を被写体に撮影を行っているが、別府市以外の大分に住んでいる人が別府という街をどう見ているのかを知りたくて、今回は東京出身で大分県竹田市に住む梨香ちゃんにモデルをお願いした。世界各国をその目で見てきた彼女が別府という街をどう表現するのかにも興味があった。

撮影日、かまど地獄の足湯以外にも温泉道のスタンプが押せる温泉があることを知り、撮影させてもらった。青くて綺麗なお湯も素敵だったが、何より気になったのは温泉の奥へ続く不思議な扉。まるで家の階段に続いているような雰囲気だ。

「まさか」と思いながら、撮影後に受付の方に聞くと「そうですね。奥は社長の自宅になります(笑)」と言われたが、素直には信じがたい。自分の家の温泉を解放してしまうなんてなんとも別府らしいけど。

撮影も終わり、この日白池地獄で行われていた「地獄の生き物展」に行く為に梨香ちゃんの友達を待っていると、かまど地獄の駐車場で電話している関係者らしきおじさんがいたので声をかけてみた。

「かまど地獄の方ですか?」
「一応ね、ここの会長やってるの」

まさかこんなタイミングで会長に会えるとは。ここで聞かないわけにはいかない。

「今日、かまど地獄の温泉で撮影させて頂いたんですが、奥が社長さんの自宅って本当ですか?」
「あーそうそう。僕がいつも使ってる温泉なんだよ。日によってね、青色が変わる不思議な温泉なんだよ。今日はどうだったかな?」
「あ、とってもいい色でした」
「それは良かった」

会長がいつも使っている温泉に入れるとはなんともありがたい話だ。梨香ちゃんが挨拶すると
「こんな綺麗な子が入った後に入れるなんて幸せだねー」
と、冗談か本気か分からないことをおっしゃっていたが、とても気さくで優しい会長さんでした。皆さんも是非「会長の湯」に入りにかまど地獄に遊びに行ってみて下さい。(受付で「いやしの湯」に入りたいと言えば鍵を貸してもらえます)

2019.11.25 東京神父
かまど地獄「Welcome to hell」

東京神父 写真家。1978年4月20日生まれ。 別府出身、自由が丘在住。