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これは2019年の夏に書いた言葉たち

‪今年も暑くなってきた、とふと壁を見ると、いつからか部屋にずっと飾ってある絵が目に入った。「暑中お見舞い申し上げます。2015.08」‬
の文字と、青い水彩画。4年前か、と記憶を辿る。
あれはたしか、高校3年の夏。生きる意欲とかあらゆるものへの興味をなくして、学校に行かないでふらふらしていたとき、昼下がりのタイムラインに流れてきて久しぶりに興味を起こした絵。ネットプリントできることを知って、数十秒後にはすぐにサンダルを引っ掛けてコンビニにむかっていた。あの頃に珍しいバイタリティでもってニコニコと絵を印刷した私は、それをなんとなく誰にも見られないように手帳の表紙と1ページ目の狭間に滑り込ませた。こんなにきらきらしてて輝かしいもの、他人になんて見せるもんかって。
それから毎日、1人の時にそれを取り出してはネットプリント特有のテラテラと光を反射する表面を眺め、ひと通り満足するとまた宝物を隠す子供みたいにすぐ仕舞った。

そういえば、Twitterの誰かの絵だったなぁ。

絵には、作者の名前も書いてある。そういえば、フォローしたはずなのに、いつの間にか消えていた。
検索してみたけど、ユーザーはヒットしなかった。代わりに、「個展、やってます。〇月✕日までです。私と〇〇△△の作品、見に来てね」というツイートだけが残されていた。仲間内で開いたものだろう、もう1人の仲間と思われる人のアカウントからツイートされていた。

忽然と消えてしまったその人。それでもその人の作品は、相変わらずわたしの部屋でテラテラの表面から青色を滲ませているし、きっと今もどこかで名前を変えては同じ絵を描いているのかもしれない。

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