見出し画像

なぜペニスを強調する服装が存在するのだろうか。

えっ、なんちゅう格好してるのあなた。絶対ナンパされるよ。男性に…

by南米妻

ぐぬぬ…良いじゃないか。俺はこの服が好きなんだから。


当日のコーデは、ほぼこれだった。なお色は極彩色。

自分的には色が極彩色多かったので、
「ブラジルの鳥みたいだなぁ」と思っていたのだが、
どうやら妻には感じ方が違ったようだ。
う~ん、これが異文化交流というやつか。


やぁ。こんな色してる男にあったら僕だと思ってくれよな

基本的に私は自分のファッションセンスに100%の自信を持っているので
他人に何を言われようと気にしていない。

というか僕が正しいので僕の真似をしたら皆さんいかがですかの姿勢で行くことにしている。


スペイン滞在時、バスク人が主に使っていた動物の皮で出来た水筒に
緑茶を入れて持ち歩いていたので
100%変人だと思われていただろう。

ここで話したいのは、
何がゲイっぽいとか、セクシュアリティの話ではない。

世界中の服装って
それはそれは変なものが存在するという話だ。

そして我々からすると、明らかに
変な服装も当の本人からすれば全く普通。
むしろ正装だったりするから文化というものは不思議だということだ

特に私が不思議だと思うのが、
コッドピースというやつなのだがみんな知ってるだろうか?

ペニスをデカく見せるファッション

ちょっとまってほしい。
ブラウザバックしないでほしい。

懇願するエイリアン

真面目な話なんだ。これは。

文化人類学において人類はペニスというものを非常に大事にしてきた。

だからペニスと装飾の文化を知ることは人類を知ることにつながるんだ。

例えば古代ならこれだ。これを見て
真面目な歴史のページだと理解してほしい。

ペニスの守り神

古代の守り神「ファスキヌス」様

これ、人気漫画の「テルマエ・ロマエ」でも出ていたので
ある程度有名かもしれない。

実は古代ローマの時代にはペニス型のお守りというのがあって、
安産祈願や戦勝祈願で利用されたらしい。

そういえば日本でも川崎市でかなまら祭りがあるので、
これを聞いてローマ人を変態だと思うのはお門違いである。


神輿がペニスというのは人類学的にはまぁまぁ普遍的な話。

文化というのは、その表面的な部分のみ観察して
笑っていては本質を見誤るというものだ。

それに古代だからペニスを神様に祭り上げたんだろうけど、
中世以降のヨーロッパならそんなことはないだろう、
と思うとそうではなかったりする。

なぜそこを強調するのか: コッドピース

2020年のTHOM BROWNEというブランドが行ったファッションショーで
驚愕のスタイルが発表された。
上半身は理解できるがズボンから下が意味不明なのだ。

特に股間部分。

なぜわざわざそれを強調しているのか


まぁ足部分も大概なんだけどさ

しかし、これを見て私はふと思った

「あ、コッドピースか。」


なぜそこを強調するのかわからないが、かっこよかったのだろう

コッドピースとは16世紀頃までヨーロッパで流行ったファッションの
一部で、洋服のペニス部分が強調される様になっている。

事実、上の写真はその時代
ヨーロッパ最強君主の一人であった
スペイン王フェリペ2世の肖像画。

立派に彼のペニスが強調されているズボンを履いている。

彼がこんな姿で肖像画を書かせているということは
確実にコッドピースは貴族の嗜みになっていたのだろう。

しかも当時の肖像画は現代でいう、
「フォトショ後のバリバリ整形したアイドル」そのものだ。

それでもコッドピースが残っているということは
それがファッションの要だったに違いない。

しかしながら、タイムスリップ物で
当時のスペイン貴族が日本にやってきたらほぼ100%逮捕だ。

ただ、このコッドピース、
もともとは防具であるプレートアーマーの一部だったらしい。
つまり、そのうちコッドピース自体のイメージがプレートアーマーと結びつき

コッドピース=プレートアーマー=騎士階級=強い、かっこいい

あるね、コッドピース。

の図式が誕生したように思える。

文化というのは、やはり
それを作り上げる周辺環境を真に理解できないと、そのかっこよさも理解できない。

というのはこういうところだろう。

そういえば月代はキモいらしい


いわゆるちょんまげ

ちなみに海外の文化の話ばかりしているので、
南米人の妻の感覚で思わずキモいと思ってしまう
日本文化を紹介すると
ずばり、ちょんまげである。

曰くなぜ、わざわざ髪が生えるのに
頭頂部を剃り上げてしまうのか意味がわからないとのことだったが、

我々には侍のイメージがあるので、
むしろ権力の象徴としてちょんまげを見てしまう傾向にはある。

つまり、ここでもちょんまげの周辺に存在する象徴としての意味を理解しているかどうかで感じ方が違うという現象が発生しているのだ。


実用的な話をするとちょんまげをつけていたのは髪で兜がズレ落ちないように固定していたから。
周辺の髪を剃り上げている部分はムレ防止である。

現代も絶賛生き残っているコッドピース

ちなみにコッドピースが持っていた、

男性器を強調することによって男性性を際立たせる

という文化は現在も絶賛生き残っている。
場所はアジアのパプアニューギニアだ。
詳細を話すより、さっさと見てもらったほうがいい。
こちらである。


なんだこれは・・・

右側の人など、ペニスケース以外は全裸に裸足だが、
この部族にとってはこのペニスケース「コテカ」をつけているかどうかが最も重要で他はそれほど大事でもないらしい。

想像するに彼らにとっては、コテカをつけていない男性なんてものは
他は完璧なのに、肝心の股間部分だけ丸出しの男性みたいなイメージなのではないだろうか。

う~む。確かにそれは変態だ。コテカをつける理由も分かる。
ちょっと着けてみたい気がしてきた。

パプアニューギニア紳士が集うパーティーに呼ばれたらAmazonで買おう。

結局みんな好きなファッションすればいいよ

このように古代から現代、ヨーロッパからパプアニューギニアまで
様々なファッションが存在することを理解すれば、
結局のところファッションに正解などないと分かるだろう。

だからあなたが好きな格好をすればそれでいいと思う。

しかし、ファッションには自己表現とは別に常に

・社会ステータス
・セクシャリティ

などの属性を強く相手にイメージ付ける存在であることも
理解は必要だろう。
流石に私はコテカをつけて友達と飲み会には行けない。

というかそれ以前に日本でやったら逮捕されると思うし

「パプアニューギニアでは正装なんですぅ!」と叫んだところで
薬物検査されるのがオチである。

だが、こういうファッションの多様性を理解すればいろんなファッションに対する寛容さは身につくと思うのである。

ちなみにコテカで外出したら逮捕されるかどうか誰か教えてくれませんかね?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?