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突っ込みどころだらけのバスガス爆発(後編)

日本人は皆、南米のバスで財布やパスポートやiphoneをスられているから気をつけてと、私に注意してくれたのは、チリで出会った女の子だったかしら。

現地人99%(つまり私以外全員)のこのバス、お隣には今風のお兄さんが座りました。
スリだったらどうしよう。

あ、全然心配ないわ、この人大量の札束が覗く財布を、よりにもよって私側のポケットにしまったわ。
完璧に私よりお金持ちだ。

悪路だから、酷いバスの揺れで眠れないって言っていたのは誰だったかしら。むしろ、5秒で寝れたわ。

よく考えたら前日は、空港のベンチ泊(野ざらし)で全然寝てなかったわ。無料のアトラクションを期待してたけど、全くもって、安眠ですわ。

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出発から6時間後、最初で最後のトイレ休憩があったの。皆は夕食を買いにバスを離れていたけど、私は見逃さなかったよ。運転手さんが必死になってタイヤをライトで照らし回っていたこと。
100%何かあったんですね。

バスはガタゴト獣道を走る。私は窓際だから、他の乗客の皆様のために窓を開けてあげる。(君にジュースを買ってあげる)
蛾が顔面に飛び込んで来ても、微動だにしてはいけない。

私、常に窓の外を見てるからわかるんだけど、
ちょ、運転手さん、いま崖すれすれでしたやん?誰も気にしないの⁉

夜になって急激に冷えこんできてから気づいたけど、この窓…壊れてる。自動ドアならぬ自動窓で、顔面に雨風や強風を全力で受け止めねばならない。
よかろう。

隣のお兄さんが、夜寝ている時に手を握ってきて、目が覚めた。

「ああ、素晴らしい星空だね」とそっぽを向いたら、どうやら諦めたらしい。ガッツがなくてありがとう。

早朝、突如バスが停車し、ざわめく車内。

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降りて見に行ってみると、もう100%想定の範囲内の、山の斜面の土砂崩れ。

見ている今も岩石がごろごろ落ちてくる。

ギャラリーの最前で仁王立ちして見ていたら、バスがクラクションを鳴らし、全員を載せて発車し、普通に土砂崩れに突っ込んでいった。
そこ、迂回しないんかい!って乗客全員の心の声が私には聞こえた。

日が高くなり、誰か演説みたいなことを始めたなー、と思っていたら、いきなり「マカ(薬)」と書かれた怪しい袋を配り始める。
なんでも、「高山病、マラリア、ペストに効く」らしい。そんな薬ないよ。

30分くらい一生懸命効能を説明して、誰も買ってくれなかったから、今度こそはとお兄さん「コカ(薬)」と書かれた小袋を配り始める。うわ、怪し!ていうか売り方学ばないな!

発車から17時間後、不穏な雰囲気でバスが止まる。何故か女子供の乗客が全員野外に出たので、私も様子を見にいくと、運転席の床が外れ、なんかむきだした動力部分から煙が。それを乗客を動員しての男3人がかりで修理中。

とてもよくわかりました、皆さん爆発を懸念して避難していらしたのですね。ていうかアナウンス足りないよ。

そんなこんなで、現地の人の乗るバスは、毎日こんなにもドラマで溢れていることがわかりました。

故障とか土砂崩れとか、絶対にあれ日常茶飯事ですわ。
最終的に面白かったので乗って良かった。

財布と貞操も無事でしたし、これから同じ旅をする人に、自信を持たずにおすすめできます。

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