【令和6年度】東京都の不登校/多様な学び支援の政策動向
日本では、不登校児童・生徒数(小中)は約30万7千人に上り、増加の一途をたどっています。
東京都も例外ではなく、増加傾向にあります。
そうした不登校の解消や多様な学びの実現に向けて、東京都では様々な取組みを実施しています。
今回は、令和6年度における東京都の不登校/多様な学び支援についてご紹介していきます。
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《本記事のまとめ》
①これまではフリースクール等に関する調査研究事業のみ存在していたが、2024年度より新たに助成事業化される
②家庭への経済的支援に加え、フリースクールへの補助が開始される
③不登校/多様な学び支援については、教育委員会や教育庁のみならず、子供政策連携室といった各部署と連携して子供政策を行う部署が担当し、更なる支援拡大が見込まれる
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<子供政策連携室による「学齢期の子育ち」支援事業>
学校生活に馴染めず生きづらさを抱える子供の学び・居場所の選択肢を多様化させるため、令和6年度においては新たに「学齢期の子育ち」支援事業を実施するようです。
① フリースクール等の利用者等支援事業(助成金)
フリースクール等に通う不登校状態にある義務教育段階の児童・生徒に対する利用料の助成 (助成上限:月2万円、1,500人)
不登校(傾向)の子供の保護者が抱える不安・悩みに対するサポートの実施
※令和4・5年度には令和5年度フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業(調査協力金)を推進しており、令和6年度より助成事業化予定
② フリースクール等支援事業
子供目線に立った取組を行う都内のフリースクール等に対して、子供の活動支援の充実等への支援 (50団体)
③ 学校外の多様な学びの調査研究
子供の興味関心を引き出し、知的好奇心を最大化するメソッドについて、大学等の専門機関やフリースク ール等と連携した調査研究の実施
<東京都教育委員会による「不登校施策」>
東京都の不登校児童・生徒数(小中)は約2万7千人に上り、10年連続増加しています。
その状況を踏まえ、東京都教育委員会(取りまとめは教育庁)では、令和6年度における不登校施策を以下のとおりに見直しを行っています。
(以下、新規・拡充施策を一部抜粋)
① チャレンジクラス(東京型不登校特例校(校内分教室))の設置【新規】① 利用者等支援事業
校内分教室に教員を配置し、生徒一人一人の状況に応じた柔軟な学びを実現
② 不登校対応巡回教員の配置【新規】
拠点校及び巡回校を巡回し、不登校担当校の不登校対応力の底上げ
③校内別室指導支援員の配置【拡充】
校内の別室であれば登校できる子供への支援の充実
<自治体による独自施策の推進>
東京都による取組みに限らず、自治体による独自施策も推進されています。例えば北区では、2023年夏より独自で、フリースクール等に通う児童・生徒がいる家庭への経済的支援を実施しています。
(詳細は北区教育委員会のサイトを参照)
東京都の令和5年度フリースクール等に通う児童・生徒支援調査研究事業の調査研究協力者のうち、北区立小・中学校に在籍する児童・生徒の保護者を対象としており、児童・生徒一人につき月1万円(上限額)の助成金を支給するようです。
<政策動向の把握により見えてきたこと>
ご覧いただいたように、東京都では、不登校の解消や多様な学びの実現に向けて家庭への経済的支援に加え、フリースクール等への機関補助も開始されます。
今後の動きに対して、目が離せませんね。
引き続き東京都のアクションに目を向けていければと思います。
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