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『男はつらいよ26 寅次郎かもめ歌』と『ルパン三世』1-1「ルパンは燃えているか‥‥?!」/世文見聞録27
今週も川口世文と木暮林太郎が、彼らの大好物の「ビッグストーリー」である『男はつらいよ』シリーズと『ルパン三世シリーズ』について語ります。
○第26作『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』(前半部)
木暮林太郎:シリーズの“後半”というか、少なくとも“80年代”の『男はつらいよ』をどうするか、やっぱりいろいろ模索していたんじゃないか?
川口世文:さくらと博の新居の話?
木暮:そうそう。以前もそんな話があったけど、あのときは立ち消えになった。それが今度こそとらやを抵当に入れて一軒家を買ったっていうんだから新しい展開だ。
川口:社長も保証人になっているし、「結婚十年目」なんてセリフもあるしね。「空き部屋」が寅の部屋だっていうのが泣かせる。
木暮:そのあとで源ちゃんから借りた二万円のご祝儀を巡って「偽札だ」「おつりだ」の騒動になるけど、今回の冒頭部分は短いながら非常に重要な意味を持っている。
川口:ひょっとすると、いずれは寅がさくらの家の二階に“戻って”くるパターンも考えていたかもしれない。だから、厳密には新居の話は“まくら”じゃないんだ。本編以上にシリーズ全体の文脈に関わる話だな。今回の“まくら”は「国勢調査」のほうだ。
木暮:「日本の人口から外される」っていうのがいい。
川口:テレビシリーズの“おばちゃん”と映画シリーズの“おばちゃん”の共演でもあるらしいよ。ついでにいうと関敬六が演じた“二代目ポンシュウ”も初めて登場してきた──まだここではそう呼ばれていないけど。
木暮:次回作で満男も吉岡秀隆に変わるんだろ? 絶対にテコ入れを意識していた時期だと思うよ。
川口:どうでもいいけどあの二万円は踏み倒したのかな。
木暮:北海道の江差《えさし》では仲間の香典に二千円を出すし、何かと物入りなんだよな、今回は。
川口:帽子ごと頭にマフラーを巻いている寅が実に寒そうだったなあ。前回は夏の沖縄で、今回は冬の北海道。そして、後半は『学校 エピソード0』になっていく!
○『ルパン三世パート1』第1話
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川口世文:前回決めたとおり、元祖“緑ジャケット”のファーストシリーズを週に一話ずつ順番に観ていこう。
木暮林太郎:評価が定まっているから余計な心配も期待もしなくてすむな(笑)。
川口:ホテルミラクルで全身コチョコチョされる不二子の格好はライダースーツじゃなかったな。
木暮:その話からするの?
川口:いや、人間の記憶っていい加減だなと思ってさ。黒いシャツとジーンズみたいなズボンに、太いベルトと赤いネッカチーフという70年代ファッションだった。
木暮:ネッカチーフなんて言葉、久しぶりに聞いたよ。
川口:ついでにいうと「ミスターX」も「コミッショナー」だった。あれはパート2で名付けられたのかな?
木暮:それにしても第1話から総工費50億の飛騨スピードウェイを使ってルパンの葬儀をやろうっていうんだから話がデカイ──普通なら最終回でやるスケールだ。
川口:宿敵スコーピオンもいきなり壊滅しちゃうしな。ふと思ったんだけどさ、「パート6」の後半ではスコーピオンをテーマにすべきだったんじゃないか?
木暮:スコーピオンの復活を描くってこと?
川口:あるいはそもそもスコーピオンとルパンの因縁から描いてもよかった。その上でパート6最終回をパート1第1話のリメイクにすればよかったんだ。
木暮:またまた強引に“円環”を閉じようとしているな。
川口:もちろん完全な再現じゃなくて、アップデートされた内容でいい。大塚明夫演じる“新次元”にも記念すべき第1話をあらためて演じてもらえるし、“緑ジャケット”問題も解決する。銭形警部のあのモノローグも50年ぶりに復活!──そうしてくれたらもういうことなし。
木暮:残念ながら……「パート6」はとっくに終わっちまったんだよ!
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