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深煎りコーヒーとの出会い
初めてのコーヒー
簡単な自己紹介をさせていただきます。自分は1970年に熊本県で生まれました。地元で高校を卒業後1年の浪人生活を経て、大学入学時に上京しました。学生時代のアルバイトから始まり、現在に至るまで飲食店の仕事を続けています。
この仕事の礎となったのは、20代に従事した横浜のホテルのレストラン&バーと八王子のフランス料理店です。ホテルでは接客サービスや接客マナー、専門知識の大事さなどを学び、フランス料理店では高度な技術と仕事の厳しさを教えていただきました。
さて、自分が初めてコーヒーを飲んだのが何歳くらいであったのかは記憶していませんが、小学生の時にインスタントコーヒーと粉末ミルク、砂糖をお湯で溶いて飲んでいたのは覚えています。時代的にもインスタントコーヒーが一般的なものであったと思います。粉末ミルクをたくさん入れて、甘ーく作っていたものです。
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コーヒーを飲む
高校生くらいだったと思いますが、家庭でのコーヒーもレギュラーコーヒーに進化しました。いわゆる台形のペーパーフィルターにスーパーで買った挽いてある豆を入れ熱湯で淹れるコーヒー“ドリップコーヒー”です。当時はブルーマウンテンやハワイコナが最も高価で、ブラジル・コロンビア・キリマンジャロ・モカ・グアテマラ・マンデリンといったラインナップだったでしょうか。
この頃にはブラックで飲んだりもしていたと記憶してます。また、初めて喫茶店でコーヒーを飲んだのもこの頃でしょうか。街にはハンバーガーチェーン店はありましたが、コーヒーといえば喫茶店の時代です。プロの淹れたコーヒーを飲むことのスタートです。
深煎りコーヒー
前回の『Tokyo Coffee Lab.のブレンド』でなぜ深煎りブレンドになったのかという理由ですが、上京し新生活も始まったある日、大学の同級の友人(今でも親友)と原宿に出かけました。特に目的もなく向かい歩き疲れた時に、一軒の喫茶店が目に留まり入りました。暗めの静かな店内のテーブル席に通されメニューを見ると、はっきりとは覚えていませんが、1杯700円程からだったと思います。特にコーヒー好きというわけではなかったもので、二人で失敗した(高い)と感じ、一番安いコーヒーを頼みました。
ほどなく提供されたコーヒーは、小ぶりの洋食器のコーヒーカップに注がれ、艶があり、今まで知ることの無い芳醇な香りを纏っていました。口に含むと滑らかに広がり、苦味も程々に複雑な味の広がりで余韻も長く、とにかく感動しました。
この一杯で、熱烈な深煎りコーヒー派の仲間入りです。
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この時の感動は、現在に至るまで、コーヒーで超えるものは無いです。もちろん経験値が上がっているのも要因の一つではあります。今コーヒー店を経営しているのもこの一杯と巡り会えた事がとても大きな分岐点となったのは間違いないです。
この喫茶店に行ったのは、1990年の事です。ここは深煎りネルドリップ専門店で、現在も営業しています。店名は『ヴォルール・ドゥ・フルール』という喫茶店です。
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