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取締役会議事録の押印に代わる電子署名

こんにちは。弁護士の大城聡です。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために在宅勤務、テレワークが推奨されています。その一方で、「印鑑文化」「はんこ文化」の壁があるとの報道もされています。
この機会に取締役会議事録を紙で作成して印鑑を押すのではなく、議事録をPDFなど電子化して電子署名する方式に移行する企業も多いと思われます。そこで、今回は、取締役会議事録の押印に代わる電子署名について会社法の規定を整理します。


1 取締役会への「出席」はオンラインでも可能

そもそも取締役会にインターネットを使ったテレビ会議(以下「オンライン」と言います)で出席することは可能なのでしょうか。会社法は取締役会の出席方法についてオンラインでも可能だと明示しているわけではありません。しかし、会社法施行規則101条3項1号が取締役会の議事録に記載すべき事項として「当該場所に存在しない取締役・・・が取締役会に出席した場合の出席方法を含む」と規定しています。このことから同じ場所に存在しない場合でも「出席」が認められていることがわかります。したがって、オンラインでの「出席」も可能だということになります。


2 取締役会議事録の押印に代わる電子署名について

ところが、取締役会の議事録には出席した取締役及び監査役が署名または記名押印しなければならないと会社法で定められています(会社法369条3項)。

オンラインでも「出席」した場合には、議事録への署名または記名押印しなければなりません。紙で議事録を作成した場合には、その議事録を郵送するなどして署名または記名押印しなければなりません。

ここで電子署名が登場します。会社法では、議事録を電磁的記録によって作成する場合には「法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」をとらなければならないとされています(会社法369条4項)。

「法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」は「電子署名」とするとされています(会社法施行規則225条1項6号)。

つまり、PDFなどの電磁的記録によって議事録を作成する場合には電子署名を行えば良いことになります。

「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、①当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること、②当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであることのいずれの要件にも該当するものをいうと定められています。

このように会社法では、取締役会へのオンラインでの出席が可能で、電磁的記録で作成した議事録への電子署名も認められています。


●会社法施行規則101条3項1号●
取締役会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)
●会社法369条3項●
取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
●会社法369条4項●
前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
●会社法施行規則225条1項●
次に掲げる規定に規定する法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置は、電子署名とする。
一~五(略)
六 法第三百六十九条第四項(法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。)
●会社法施行規則225条2項●
前項に規定する「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

                               以上

(本稿は2020年5月13日時点の情報に基づく記事です。)

                        文責 弁護士 大城聡

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