新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

家賃(賃料)支援制度はどうなるのか?

こんにちは。弁護士の大城聡です。

新型コロナウイルスの影響を受けて、休業などで売上が減少している事業者のみなさんにとって固定費である家賃(賃料)の負担が大きくなっています。貸主の側からみても、テナントとして入っている事業者(借主)が撤退や破産してしまうとその後の家賃収入がなくなるというリスクもあります。

今回は家賃(賃料)支援制度について現時点(5月11日)での情報を整理したいと思います。

1 貸主側への支援制度

国土交通省は、「ビル賃貸事業者の皆様へ ~新型コロナウイルス感染症に係る支援策~」の中で、「法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たすような場合等には、その減額した分については、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました」としています。その他にも事業収入が減少した場合には納税猶予、固定資産税の減免などの貸主側に対する支援策があげられています。


1 減免したテナントの賃料は損金として計上することが可能です。
法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たすような場合等には、その減額した分については、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました。
①取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること
②実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための 復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること                (2020年5月11日閲覧)


国税庁のホームページも同様の記載があります。「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」(29ページ)
問 4.《 賃貸物件のオーナーが賃料の減額を行った場合》 〔4月 30 日更新〕

これに先立ち、2020年3月31日、国土交通省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、飲食店等のテナントの賃料の支払いについて賃料の支払いの猶予に応じるなど柔軟な措置の実施を検討するよう要請しています(国土交通省 令和2年3月31日付報道発表資料)。

これらは貸主側への支援や要請によって、家賃の減額などでテナントである事業者の家賃(賃料)負担を軽くすることを促す支援策です。しかし、貸主側には、家賃(賃料)の減額、支払い猶予に応じる義務はありません。家賃(賃料)を減額した場合に損金扱いできるとしても、減額するか否かは貸主側の判断に委ねられています。貸主側からみると収入の減少になりますので、要請があっても家賃(賃料)の減額に容易に応じられるというわけではありません。


2 借主側への支援制度

福岡市は、休業要請に応じた飲食店の家賃(賃料)8割補助を独自に行い、緊急自体宣言延長後も継続しています(2020年5月5日付「日本経済新聞」)。経済産業省は「テナント家賃の支払いを支援する制度」(テナント向け)で、持続化給付金や融資を家賃(賃料)支払いに充てることは可能だと説明していますが、福岡市のような補助制度はまだありません。

借主側への家賃(賃料)支援制度について、4月23日、野党共同会派は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収した事業者らの賃料を支援する法案の概要をまとめたと報じられました(2020年4月28日付「時事ドットニュース」)。これは20%以上減収した中堅・中小企業や個人事業主を対象に、1年程度を念頭に一定期間、日本政策金融公庫が賃料を肩代わりするという内容で、同月28日に衆議院に法案が提出されました。

自民党・公明党の与党は、5月7日、家賃(賃料)の3分の2を国が半年間給付する形で事業者(借主)支援を行うということに大筋合意したと報じられました(2020年5月8日付「東京新聞」)。

与党が合意した内容は、「テナントの事業継続のための家賃補助スキーム」(令和2年5月8日与党賃料支援PT)としてまとめられ、5月8日に安倍首相に申し入れが行われました。

この与党案では、収入が前年同月比で半分以下になるか、3か月で30%以上収入が落ち込んだ中小・小規模事業者、個人事業者が対象です。無利子・無担保融資で資金繰りをつないで、後日、中小・小規模事業者には1か月当たり最大50万円、個人事業者には25万円を「特別家賃支援給付金」として助成するというものです。助成率は家賃(賃料)の3分の2となっています。

この家賃(賃料)支援制度は、2020年度第二次補正予算として行われる見通しです。与野党の各提案は、細部に違いがあるものの大きな方向性は同じです。

毎月、家賃(賃料)の支払日は迫ってきます。借主側からも貸主側からも家賃(賃料)支援制度が切望されています。早期の実現を願って、今後の展開を注視していきたいと思います。

(本稿は2020年5月11日時点の情報に基づいた記事です)

                        文責 弁護士 大城聡



この記事が参加している募集

いま私にできること

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
5

こちらでもピックアップされています

新型コロナウイルス関連
新型コロナウイルス関連
  • 9本
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。