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大手日系運用会社の東京本社で債券FM、クレジットアナリスト&ロンドン拠点でグローバル金…

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大手日系運用会社の東京本社で債券FM、クレジットアナリスト&ロンドン拠点でグローバル金利・為替ストラテジストを歴任後、外資系投資銀行で債券投資業務に従事したのちに独立。 このnoteでは、筆者が債券FMとして養った相場観を通して、中長期的な相場の見方をお伝えしたいと考えています。

最近の記事

足元の相場と豪ドル円ポジションについて

現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: 居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定 米株(S&P500): 金利上昇による逆風が収まったため、一時的な反発を想定 米社債: 信用スプレッド横ばい~小幅拡大 為替: 豪ドル円 92.25円でロングポジション構築(8/2)済み 足元、少し相場の雰囲気も変わって来ましたので、ここで相場環境を点検したいと思います。 【米国】 7/26-27に開催された7月FOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場予想通り2会合連

    • 祝★豪ドル円92.25でロングポジションが構築出来ました!

      現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: 居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定 米株(S&P500): 金利上昇による逆風が収まったため、一時的な反発を想定 米社債: 信用スプレッド横ばい~小幅拡大 為替: 豪ドル円 92.25円でロングポジション構築(8/2)済み/95.50で利食いを予定 前回書かせて頂きました「米ドル円は、このまま急落か!?」に下記のコメントを書かせて頂きました。 昨日、めでたく豪ドル円を92.25で購入出来ましたので、現在の

      • 米ドル円は、このまま急落か!?

        現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 為替: 豪ドル円ロング(豪ドル買い・円売り)92円台前半または96円でポジション構築 前回投稿させて頂いた「続・債券ファンドマネジャーから見た為替市場」に下記のコメントを書かせて頂きました。 足元では、米10年金利が2.7%台で推移しており、想定通り米株も少し値を戻して来ました。ただし

        • 続・債券ファンドマネジャーから見た為替市場

          現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 為替: 豪ドル円ロング(豪ドル買い・円売り)92円台前半または96円でポジション構築 先週金曜日は、公表された欧米の総合PMI(購買担当者景気指数)が好不況の境目である50を下回り、景気減速(又は景気後退)が意識されたことから、米10年金利は2.75%まで下落しました。 筆者は、米10

        足元の相場と豪ドル円ポジションについて

          この夏は欧州危機に備えよう!

          現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 為替: 豪ドル円ロング(豪ドル買い・円売り)92円台前半または96円でポジション構築 昨日、イタリアのドラギ首相が辞任し、9月25日にイタリアで総選挙が実施されることになりました。債券市場では、総選挙後にイタリアでEU(欧州連合)に懐疑的な右派の連立政権が発足するリスクが警戒されています

          この夏は欧州危機に備えよう!

          債券ファンドマネジャーから見た為替市場

          現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 為替: 豪ドル円ロング(豪ドル買い・円売り)92円台前半または96円でポジション構築(New) 為替相場の変動要因は沢山ありますが、大きな要因の一つとして「金利差」が挙げられます。このため、金融機関ではFICC(債券・為替・コモディティ)でプロダクトを一括りにすることも多くあります。

          債券ファンドマネジャーから見た為替市場

          日本の物価上昇について

          現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 足元では日本においても物価が上昇しており、スーパーや飲食店で「値上げ」を体感されている方も多いのではないでしょうか。 現在、日銀は消費者物価の前年比上昇率2%を目標に掲げ、金融政策を運営しており、ざっくり言うと、足元の環境が日銀の望む姿とも言えます(2022年5月分・全国消費者物価指数

          日本の物価上昇について

          ファンドマネジャーが感じる金融ビジネスへの違和感

          現在の相場観 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定) 米株(S&P500): 下落 米社債: 信用スプレッド拡大 投資信託の販売経路は、 実際に運用する運用会社のファンドマネジャー →販売会社(銀行・証券会社等)に営業する運用会社の営業員 →販売会社の営業員 →お客様 のようなイメージです。こんな複雑な伝言ゲームで、お客様に正しい情報が伝わると思えません… また、自社の営業員や販売会社(銀行・証券

          ファンドマネジャーが感じる金融ビジネスへの違和感

          債券ファンドマネジャーから見た株式市場

          前回・前々回の記事で、私の米国債についての相場観を書かせて頂きました。 簡単にまとめると 米短期金利: よく分からない 米長期金利: すでにオーバーシュート が私の相場観です。 この米国債の相場観から、株式市場(S&P500)を見ると、シンプルに「下がる」と言う判断になります。株に強気になる材料が全然思い浮かびませんが、強いて挙げるなら、下げ過ぎたことによる一時的な反発(ベアマーケットラリー)くらいでしょうか。 直近の米小売大手・ウォルマートやターゲットの決算から推測す

          債券ファンドマネジャーから見た株式市場

          米国債の見方②(長期金利編)

          前回、米国債の見方①(短期金利編)では、簡単な米債市場の振り替えを交えて、足元の米短期金利についてはロジックを持って判断することは難しいとの内容を書かせて頂きました。 では、米国の長期金利についても同様に考えているかと言うと答えは「ノー」です。実は筆者は、米10年金利の上限は2.75%程度と考えていたので、足元の3.0%程度の水準はすでにオーバーシュート気味であると考えています。 米10年金利の上限を2.75%程度と考える理由は、(名目)中立金利が2.50%程度と予想され

          米国債の見方②(長期金利編)

          米国債の見方①(短期金利編)

          足元では、利上げ織り込みが進んだことから、米金利は上昇・イールドカーブはフラット化しています。また、米2年金利と米10年金利が逆転する逆イールドも発生しています。 米国では、昨年よりコロナ禍からの回復に伴う需要の回復と供給制約(人手不足・サプライチェーンの混乱など)が相俟って、インフレ圧力が高まっていました。 当初、FRB(米連邦準備理事会)は供給制約に伴うインフレ高進に対し、金融政策で対応することに否定的でしたが、①FRBの想定以上にインフレが加速したことや②ウクライナ

          米国債の見方①(短期金利編)

          Tokyo Bond Marketへようこそ!

          初めまして、筆者の青空と申します。私は、長年、債券ファンドマネジャーと呼ばれる仕事に従事してきました。 ファンドマネジャーとは、運用会社や保険会社などに所属し、お客様から投資信託や保険商品を通じてお預かりしたお金を運用する専門家のことです。 債券ファンドマネジャーは、各国の金融・財政政策、各種経済指標の把握はもちろんのこと、それらを基に相場を予測し、ポジションを取って収益を獲得することが求められます。 このnoteを通じて、私が長年、債券ファンドマネジャーとして養った相

          Tokyo Bond Marketへようこそ!