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続・債券ファンドマネジャーから見た為替市場

現在の相場観
米短期金利: よく分からない
米長期金利: すでにオーバーシュート(居所は米10年金利2.50〜2.75%を想定)
米株(S&P500): 下落
米社債: 信用スプレッド拡大
為替: 豪ドル円ロング(豪ドル買い・円売り)92円台前半または96円でポジション構築

先週金曜日は、公表された欧米の総合PMI(購買担当者景気指数)が好不況の境目である50を下回り、景気減速(又は景気後退)が意識されたことから、米10年金利は2.75%まで下落しました。

筆者は、米10年金利の居所を2.50〜2.75%と想定しています。その根拠は、景気を温めも冷やしもしない中立金利(2.5%)を大幅に上回る水準は長期的に維持出来ないと考えているからです。

仮に、米10年金利が2.50~2.75%のレンジに収まるのであれば、米株にとっては短期的に(テクニカル的に)ポジティブであると考えています。米株は、中立金利を大幅に上回る金利上昇により、売られ過ぎている部分があり、短期的にはその分の下落幅を取り戻す可能性もありそうです。

筆者は、今後も景気減速(又は景気後退)が進むと考えているので、細かい米株の反発(所謂ベアマーケットラリー)でポジションを取りに行くことは考えていません。ただし、米10年金利の水準次第では米株の一時的な反発も想定しておきたいと思います

この相場感を為替市場にも繋げると、米株が一時的に反発した場合は、豪ドル円が押し上げられ、92-96円レンジの上抜けの可能性が高まる可能性もありそうです。

先日、「債券ファンドマネジャーから見た為替市場」で、債券ファンドマネジャーとしては、豪ドル円に関して、92円台前半または96円でポジション構築と書かせて頂きましたが、その後もレンジ内での動きが継続しており、ポジションは構築出来ていない状況となっています。

日本と豪州の短期金利差拡大(政策金利差の拡大)を理由に、中期的に豪ドル円上昇を見込んでいるのであれば、任意のタイミングで豪ドル円をロングしても良さそうですが、実際にファンドマネジャーをやっていると意外とそうでもないのです。

債券ファンドマネジャーは、儲けることも重要ですが、損をしないことも重要です。

先日、「債券ファンドマネジャーから見た為替市場」を書かせて頂いた時点では、豪ドル円は94円30銭前後でしたが、その水準では買いたくありませんでした。なぜなら、豪ドル円が91円50銭まで下落した場合に、94円30銭でロングにしてしまっていると相当メンタルにくるからです(怖くなってロスカットしてしまいたくもなるかも知れません)。一方、92円前半でロングにしていれば、「アンダーシュートかな?」くらいで気楽に見ていられます。

債券ファンドマネジャーとしてポジションをコントロールするには、メンタルを保つことが出来るか否かは非常に大きなポイントとなります。

筆者は、引き続き、
①92-95円のレンジ下限である92円台前半でポジションを構築
②92-95円のレンジを上抜けした後、96円でポジションを構築
のいずれかでポジションを構築出来れば良いと考えています。

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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