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SDSノート_02「コミュニティにアクセスするには」

こんにちは。ソーシャルダイブ・スタディーズ(以下 SDS)、コーディネーターの工藤大貴です。SDSに関するご紹介は、初回ノートをご覧ください▼
第2回レクチャーとなる6月5日(土)は、コミュニティデザイナーの山崎亮さん(studio-L)をゲストに迎え、アートと地域をつなぐ経験知をQ&A方式でディスカッションしました。

クリエイターと地域をつなぐコーディネイトの繊細さ、チームが自発的に動いていくリーダーシップ、SNSの活用やコミュニティでのマイノリティの包摂にいたるまで。

そして、抽象化された学びの数々の根底には、「地域に入ったらまずは100人に話を聞く」「社内=studio-Lのコミュニティデザインに最も気を遣う」などの経験に裏打ちされた実直で具体的なメソッドがありました。

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▲山崎亮さん

山崎さんから事前に「宿題」としていただいていたyoutubeを全員見てからの「反転授業」スタイルでしたので、対話も熱を帯びました。気づけば、15時30分のレクチャー終了時間から30分ほど延びて第2回は終了。

その後もしばらくは、山崎さんへ質問するメンバーや参加者同士で話しこむ姿が見られました。今回も聴講されたメンバーおふたりにその様子をレポートしてもらいます。それではぜひご覧ください▼


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SDSメンバーの今井 さつきです。普段は東京藝術大学大学院に在籍しながら参加型作品の制作をしていて、時折アートプロジェクトのお手伝いもしています。

自身の作品がどのように街や人と関わっていくことができるか、街にダイブできる拓き、開かれた体験をつくっていくためのヒントを得たいと思って、SDSに参加しています。

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第2回目の講義は、コミュニティデザインを行うstudio-L代表の山崎亮さんからお話をお聞きしました。山崎さんがプロジェクトを進めていく際に、クライアントと実際に関わるコミュニティの人たちの求めるものの誤差を常に確認することに努めるというお話は、聞きながら「これを数年前に聞いていたら...」といくつかのプロジェクトを思い出しました。

なにか自分に依頼があった時に、依頼者の意向だけでなくそのコミュニティの人たちが何を求めているのかに耳を傾けること、双方の求めるものの違いを認識し調和を生み出す方法を考えることは、プロジェクトを進めていく上で非常に重要なことだと思いました。今後に活かしていきたいです。

studio-Lさんの少人数で行うプロジェクトの進め方も印象的でした。私がこれまで見てきたアートプロジェクトは才能のあるアーティストがトップダウンで進めていくものが多いと個人的に感じていて、その方法の良さもあると思っています。

ただ、少人数のプロジェクトチームで意思決定をして、山﨑さんの指示を待たないstudio-Lさんのスタイルは、関わる人たちの熱が冷めない素晴らしい方法だと思いました。

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スタッフの方々が山﨑さんの思想を理解しているからこそできることもあるかもしれませんが、YouTube動画などを活用して山﨑さんの思想や熱を伝播させていく方法など、自分にもトライできるヒントがいくつもありました。

 お話を聞いて、自分がプロジェクトを行なったり関わっていく時に、いかに関わる人と共に熱を持ってプロジェ クトを進めていけるのかを頭に置いて取り組んでいきたいと思いました。


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SDSメンバーの堀川菜々です。普段はIT企業に所属し、中小企業に対してITソリューションの提供を行っています。直接アートとは関わりのない職種ですが、人々が豊かに生きる社会へのアプローチについて、IT化とアートプロジェクトの両軸で考えたいと思い、SDSに参加しています。

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今回の山崎さんの講義では、「プロジェクト関係者と協働するためのプロセスの重み」を学びました。 これまで私が所属し、活動してきたコミュニティはNPO・学生団体・法人と様々ですが、共通して「ビジョン・ミッションに共感して採用され、協働している」という前提条件がありました。

つまり、コミュニティが解決しようとしている社会課題に対して、参加者自身の課題解決欲が顕在化されているとともに、義務化されていた部分もあったと思います。

 しかし、アートプロジェクトの参加者である住人は、プロジェクトの題材について常に考えているわけでもなければ、プロジェクト推進に対して強いコミットメントが約束されている訳でもありません。

私が所属してきたコミュニティよりも、一層ナイーブでセンシティブなコミュニケーションが求められるのだと感じました。 事前調査で参加者1人1人と対話を重ねることで、地域の特性・価値観・文化を理解し、参加者の温度感を測りながらプロジェクトを進めていくプロセスは学びが多く、刺激を受けました。

 今後プロジェクトを考えるうえでの基盤となる知見をいただいた貴重な時間でした。帰りの電車で山崎さんの本を早速数冊購入したので、コミュニティデザインの理解を深めていきたいと思います。

第2回レクチャーの記録はここまでとなります。次回は6/12(土)に伊藤達矢さんをお迎えします。それでは、またSDSノートにてお会いしましょう。

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