「法律で決まっていること」発言をきっかけに、保険証廃止の流れを調べてみました。
ニュースを眺めていたら、こんな記事が掲載されていました。
最近、なにかとお騒がせなマイナ保険証について。
記者団からの質問に対し、河野デジタル相が答えた内容のようですが、かなり刺激的なタイトルだったので物議をかもしているだろうなとYahooニュースなどのコメントを見てみると案の定、怒り心頭といった感じです。
法律はいつ改正されたか?
マイナンバーカードの活用拡大に向けた改正マイナンバー法などの関連法は2023年6月2日の参院本会議で、賛成多数で可決、成立しました。
2024年秋に現行の健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に一本化するほか、マイナンバーの年金受給口座とのひもづけを進めるそうです。
法律改正の流れ
成立したのは6月2日ですが、この案はいつ出たのでしょうか?
過去のニュースを確認すると、2023年3月7日に閣議決定されています。
閣議決定とは、内閣総理大臣及びその他の国務大臣による会議で決定したという事なんですが、このメンバーには河野デジタル相も入っています。
その後、2023年4月14日に衆議院で審議され4月25日に可決。
賛成したのは自民、公明、維新、国民。反対は立憲、共産です。
審議の際、早期の成立に理解を求める為、説明したのも河野デジタル相です。
何故、健康保険証を廃止?
ここまでの流れで河野デジタル相が、かなりの熱量をもって健康保険証の廃止を進めてきたというのが分かったのですが、何故、健康保険証を廃止する必要があったのでしょうか?
ここで気になったニュースが、「健康保険証の不正利用」です。
健康保険証の不正利用
つまりは、マイナンバーカードを促進するためではなく、紙の保険証そのものにデメリットがあるため、廃止するのだ。という理屈のようです。
不正利用の件数は?
実際、どれだけの被害が発生していたのか?
これを調べてみたんですが、被害に関する情報がなかなか見つからない。
不正利用600万件は凄いと思って、私も調べてみました。
確かに平成15年に発表された論文に、その旨書いてありましたが、600万件も不正利用や誤りがあるから、それを解決するための方法を研究しましたと書いてあるだけで、600万件に対する根拠も出典もなし。
また、600万件の話は4月14日の衆議院 審議内容を確認する限りないので、オフィシャルな情報ではなく、論文をみた方がX(旧ツイッター)等に投稿して一人歩きしてしまっただけのように思えます。
こうなると5年間で50件の不正利用が理由という事になってしまうのですが、長年使ってきた保険証を廃止するという大革命の理由としては、かなり少ない数字です。
きちんとやるべきことはやっていただかなければならない
さて、「法律で決まっている」発言をきっかけに、保険証廃止の流れを調べてみたのですが、これまでの流れを見る限り、マイナンバーカードを普及させたいがために、保険証を廃止する事が決定したように思えます。
しかして、マイナ保険証をめぐるトラブルが大きくなったため、政府は急遽「資格確認証」の有効期限を1年から5年に延ばすことを決定しました。
個人的には、それってどうなの?と思う決定です。
自分達で決めた法律を、このような問題で再改正したくないという事なのでしょうが、この決定で、少なくとも5年間は医療機関の業務効率は著しく落ちるでしょう。
法律の改正は、政治家の方々にしかできません。
その内容次第で、国民の生活は大きく変わります。
「きちんとやるべきことはやっていただかなければならない」
本当にそう思います。
サポート頂きました場合、朝活の運営費にさせて頂きます。