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画家から見たこども展@三菱一号館美術館(6/7まで)にいってきました。

ナビ派が描いた子どもに焦点を当てた企画展。講演会にも行って来たので、ナビ派の子どもの取り扱いについてちょっと書き留めておきます。

講演会のボナール美術館のヴェロニク・セラノ館長の話の中ででてた、ナビ派以前とナビ派との子どもの扱いの対比の話が興味深かったです。

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ポール・マテイ《室内の子どもと女性》

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ウジェーヌ・カリエール《病める子ども》

展覧会の一幕はビフォアナビ派から始まってるんですが、ポール・マテイ《室内の子どもと女性》など、正統派寄りの延長で子どもを捉えているのに比べ、二幕目以降のナビ派を中心とした展示では、子どもをかわいい、無邪気、奔放という、こどもらしいフリーダムな雰囲気で表現できてるとのこと。

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エドゥアール・ヴュイヤール《赤いスカーフの子ども》

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モーリス・ドニ 《赤いエプロンドレスを着た子ども》

個人的には、ナビ派は割とベタってしてて、アカデミックでも、印象派っぽくもないですし、若干苦手な特異なジャンルなんです。

でも、特異だからこそ、子どもというモチーフは、たぶんその陰影をあまり強調しない画風的にも、ナビ派の苦悩などネガティブな要素を描かない思想的にもフィットしてきたし、時代的にも正統派に見飽きてきた人たちが次の絵を予言するものだって(ホントの意味は預言なので意味は違いますが)思ってたんじゃないかな思いました。

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モーリス・ドニ 《子ども部屋(二つの揺りかご)》

そんなことを思って本展を見て見るとナビ派が少し苦手だった自分も楽しめるような気がしてきてました。期間は長いし、夜間は割と空き気味な美術館なので、会社帰りにもう一度は足を運んで見ようかと思う今日この頃でした。

おまけ

今回はミュージアムショップが充実してます。
しかも最近、各展覧会で流行りが来ているガチャガチャが。


皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。