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【遠征】美人のすべて@福田美術館(京都・嵐山、3/8まで)にいってきました。

松園、清方、深水、小坡と見どころはたくさんあるのですが、見てほしい特筆すべき作品が2点。

事の始まりは美しい振袖を纏った少年

一点は山川秀峰の《振袖物語》。双幅の作品で、左幅にいるプレイボーイに焦がれ死にをする右幅の女性たち。今でいうミッチー?ジャニーズ系でしょうか。焦がれられる方と焦がれる方がうまく描かれてます。しかも、秀峰のデビュー作とのこと。詳しくはキャプションを。

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山川秀峰《袖振物語》(一部)

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山川秀峰《袖振物語》(一部)

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キャプション《袖振物語》

春秋を美女で表現

もう一点は池田蕉園と輝方、夫妻の双幅の合作《さくら狩り 紅葉》。池田輝方と言えば、現在、山種美術館の上村松園の展覧会でも、雨宿りの作品で、艶っぽい宝塚っぽい絵で話題になってますが、その輝方です。かたや京の上村松園、大阪の島成園と並んで、東の蕉園で三都三園のひとりに称された池田蕉園。美人画の展覧会ではお馴染みの女流画家です。

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池田輝方《さくら狩り・紅葉》(一部)

同門だった輝方と蕉園は恋に落ち、婚約後、輝方が別の女性と失踪。それから7年、紆余曲折の末にふたりは結婚。文展のおしどり画家などと呼ばれ、合作などもこなし仲良く過ごすも、蕉園が6年後に結核で倒れ早世。輝方も4年後、後を追うように亡くなる。なにか映画とか作れそうなドラマチックな生涯の2人の合作。

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池田蕉園《さくら狩り・紅葉》(一部)

本作は、合作ということで、画風を寄せたのか似ています。そのストーリーを知りながら見るとひとしおです。こちらもキャプションを貼ってます。

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キャプション《さくら狩り・紅葉》

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桂川、渡月橋のほとりにある新しめの美術館ですが、嵐山に行く時には、マストな美術館です。

皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。