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ルノワールとパリに恋した12人の画家たち@横美(1/13まで)にいってきました。

オランジェリー美術館所蔵、画商だったポール・ギョーム夫妻の印象派とエコール・ド・パリ+フォーヴィスムあたりのコレクション69点の展示。ルノワールを含めて、13人の画家の作品を見られます。気になった4人に焦点を当ててみました。


展覧会は、アンドレ・ドランが描いたギョーム夫妻の肖像画から始まります。人の良さそうなポールと奥さんのドメニカ。
実は、ポールを含め、ドメニカさんの夫になった2人が謎の死を迎えているようで、しかも、ポールの死後に自分の趣味ではない夫のコレクションを売り、その資金で自分の趣味のコレクションを購入しているよう。なにかサスペンスの様相もみせつつ、このコレクションは形成されました。そんなドメニカの疑惑も知る由もなく艶っぽく描かれてます。

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《大きな帽子を被るポール・ギヨーム夫人の肖像》

アンリ・マティス(Henri Matisse)

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《ヴァイオリンを持つ女》

ヘタウマなんですけど、マティスといえばやはり色使いですね。原色をこんなに大胆に使う画家さんいないですよね。何点かでてる中ではこれがよかったです。顔の描写は、マティスの中では、頑張って描いた部類かと。。赤一色のフロアとブルーの壁、女性の白ベースの服装とのコントラストがいいです。

パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)

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《白い帽子の女》

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《タンバリンを持つ女》

会場内でこの前に展示されていたアンリ・ルソーとの比較で、やっぱ、ピカソはうまいよなって、アウトサイダーのルソーも頑張ってる感はあるんですけど、やはり持ってるものが違う、《タンバリンを持つ女》はチャラチャラ描いてるようで、ちゃんとバランスがとれてる。右下に描かれてるりんごの崩した表現は今に通じてると思います。キュビズムまで行っちゃうと少し引いちゃいますけど、おそらくドメニカの趣味であろう、この2作はセンスがにじみ出てます。

オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)

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《ピアノを弾く少女たち》

展覧会名の冠だけ取るだけありますね。ルノワールも好き嫌いがある画家なんですけど、個人的には今回の作品群は当たりかと。この《ピアノを弾く少女たち》はサロンのヒトが見たら、激怒されそうな描きかけ感が残る背景と、対照的な女性の表情の描写。ピアノを教えている一瞬を切り取ったいい作品です。サロンに落選して、この印象派が昇華していっただろうと、勝手に考えるとサロンの方、落としてくれてありがとと言いざる得ません。ま、実際のところはサロンへの未練は残っていたみたいですが。。

アンドレ・ドラン(Andre Derain)

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《食卓のテーブル》

他の画家と比べると、少し知名度が落ちるかもしれませんが、今回の中ではアンドレ・ドランが一番よかったと思います。フォーヴィスムからスタートしたドランなんですが、時代とともに色々な画風に取り組んでます。今回出展されていたものでも、写実的な人物、静物画といろんな画風が見られます。テーブルの配置した食器で十字架を表してるこの《食卓のテーブル》。幼い少女と裸体の女性との表現方にも幅があります。

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《座る画家の姪》

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《美しいモデル》

まとめ

印象派とエコール・ド・パリなど割と人気画家の作品が揃ってますし、人気作家の絵をまとめて見てみたいっていうヒトには、行って損はないと思います。できれば、他の展覧会とはしごできればなと、自分はそごう美術館のミュシャ展とはしごしましたが。。

皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。