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株価は新しい時代を予見するのか

株式市場などから離れて久しいので、国内外のニュースが未曽有の暴落等を報じるのもどこか他人ごとに聞いている。ダウだ日経平均だとかいうインデックスの上下動にはまったく関心がないのだが、個別銘柄の中の動きというもの、すなわち何が上がって、何が下がって、あるいは相対的に値下がり幅が小さいなどというあたりには、情報的価値がある。

急激な世界の変化の兆しを先取りすることだけに命をかけている奇特な人々の集合的行動の表れだからだ。

僕が眺めているのはアメリカの市場だ。特段の意味はないが、自分が使っているサービス、機材のほとんどが非日本製になってしまった今日この頃、勢い企業への関心もそちらに向いてしまう。

グーグルで検索し、グーグルマップで居酒屋の場所を探し、Facebookのメッセンジャーで同窓会の日程を決め、Slack, Microsoft Team, Skypeで仕事のコミュニケーションをし、それらほとんどのデジタル活動をiPhoneやiPadで集約し、DellのノートPCで作業し、アマゾンのキンドルでほとんどの本の購買はすまし、Audibleで本を聴き、NYT, Medium, Guardianなどの新聞を読み、多数のポッドキャストでニュースを聞き、Amazon Prime Video、Netflixで映画を見て、Spotifyで音楽を聴きなどなど。

家族の通信はLINE、日経や朝日をデジタルで読むぐらいが例外だ。

最近あまり見なくなったテレビはパナソニック製だし、大概の家電製品は今のところ日本製である。まだより安い海外の家電製品には手を出していない。

公共サービスは、規制産業なので、東京電力、ソフトバンク等に世界標準でも割高とか言われる電気料金、電話料金を支払っている。

自動車はつい最近買い替え、車検の無限ループにあきて、古い愛車を廃車にし、オリックスのカーシェアに切り替えた。

仕事の関連でも、利用するクラウドシステムはAWS、GCP、Azure。そしてその上を走るAI製品も、ほぼほぼ米国発のものが多い。

企業の本丸にリモートワークというものが一気に殺到しはじめた瞬間に生きているので、リモートワークを妨げるものは何かという視点で会社を眺めているので、プロセスマイニングというAIによる業務フロー調査機能に深い関心を抱いて、関連サービスを探してみたが、やはり、先行しているのはシリコンバレーの企業だった。残念ながら中国のハイテク産業はまったく追っていない。基本的に独裁国家の通信テクノロジーを僕は使わない。政治信条というよりは、単純な不安感である。

こうなると、あまり日本の企業あるいは日本の株式市場に関心がなくなるのも当然かもしれない。

アメリカの株式市場を眺めていると動きの背景となる読み筋がはっきりしているので、まだ、株式市場の先見性というようなものを読み取れるような時期には入っていないようだ。

今回のショックに対する反応としては、当然ながら、ハイテク相場の中で、若干置いて行かれていた医薬関連が相対的に堅調だ。コロナ問題が生じたので、ワクチン関連のギリアドなどが買われている。このギリアドしかし数年前にC型肝炎関連の薬剤の問題で暴落したあとなので、ピーク時に比べるとようやく復活の方向というぐらいのようだ。

GAFAはやはり下がるものの、相対的には下がり渋っている気配がある。通信サービス系も相対的にねばっている。Eコマース系は、北米圏は比較的堅調だが、中南米系のEC等はさすがに落ち込んでいる。


通信系は底堅く、EC系が弱いというのはよくわかる話だ。アマゾンが強いのは、アマゾンの中のAWSの要素が支えているのだろう。

特に最近のリモートワークの中で、自宅のWiFiのキャパシティオーバーやVPNがつながらないなどの状況が生じている。既存のネットワークプロバイダーがピーク時の設定等を変えるという動きをしてくるのだろうが、それは、大規模なリモートワーク大移動では本質的な解にはならない気がする。

おそらくは既存の通信ネットワークの容量を変えずに、クラウド側のセキュリティを高めることによるプライベートクラウド的対応が本質の動きなのだろう。となるとAWSのクラウドか。しかしAWS, GCP, Azureというクラウド業者は基本Private Cloud指向ではないような気もするので、中規模企業まで含めた企業プライベートクラウド需要を取り込むスタートアップにチャンスがあるのかもしれない。

日本でもVPNの不調が伝えられている。だとすれば、ここにも、大手のクラウド事業者がさほどやる気を見せない中で、日本のスタートアップが介入できるチャンスがあるのかもしれない。

多分そんなスタートアップはまだないのだろうな。作ってしまおうかなどという妄想も働いてくる。

資産形成とか蓄財とかいうのとはちょっと違った株式市場の先見性という情報価値が今後しばらくは高まるような気がした。





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