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【Last Season Essay 2023 #15】DL#2 髙野修

僕は昔から、勝負の前に験を担いできました。
例えば、浪人期には困ったらカツカレーを頼んでいたし、神社に行った時には神様に自分勝手な人間だと思われないように先に世界平和を祈ってから自分の願いを祈って、少しでも自分の願いを神様に聞き入れてもらおうとしていました。
験を担ぐことで、力が足りなくても自分の願いが運良く叶って欲しいと思っていたし、失敗は「運がなかったから仕方がない」と自分に言い聞かせたかったのだと思います。かつての僕は失敗から自分を守るために、自分以外の何かが勝負の命運を握っていると思い込もうとしていました。

今年の秋、チームはまだ勝てていません。
かつて失敗した時に僕を守ってくれていた「運がなかったから仕方ない」という思考は何の意味も持ちませんでした。そもそも様々な方々のご尽力で成り立っているWARRIORSで存分にプレーできている自分は運が良いと言えます。練習をすればするほど、チームと向き合えば向き合うほど、負けた理由は自分にしかないと痛感せざるを得ません。何かと失敗に理由をつけてきた僕にとっては耐え難い初めての感覚でした。
しかし、自分以外の何かに責任を押し付けて、気持ちを楽にしようと考えてしまえないほど、自分はこのチームの中で積み上げたものがたくさんあります。自分自身、4年間やってきてこのままでは終われません。自分だけではなく、今年のチームは全員が試合や日々の練習の結果を真正面で受け止めて、それぞれ勝つためにもがき続けてきました。そしてチームは勝ちへの執念を糧に成長を続けています。自分たちの力を発揮する準備を整えています。
今シーズン最終戦、最後の笛が鳴り終わるまで自分たちを信じてプレーを続け、全てを出し切って、勝利を自分の力で勝ち取ります。(DL#2 髙野修)

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