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【Last Season Essay 2023 #8】SA 北野伸太郎

自分がけがして選手からスタッフになって、ずっと色々なことを考えてきた。
スタッフってなんのためにいるのだろうか。SAってなんのためにいるのだろうか。このチームには森さんという、めちゃくちゃアメフトに詳しいヘッドコーチがいる。オフェンスコーディネーターの大林さん、ディフェンスコーディネーターの有馬さん、キッキングコーディネーターの浅海さんがいる。自分の担当するDLパートにもBJという凄いコーチがいる。よくSAは選手とコーチを繋ぐ存在だと言われるが、わざわざそんな中間管理職みたいなポジション作らなくても選手とコーチは繋がっているのにと思った(というか今も思っている)。
そんなわけで自分の価値をどこで出せばいいのかわからず、SAだけどもっと人間の筋肉の仕組みから知りたいと思ってTR同期に資料をもらったり、QOMジムに自分も行こうとしたりしていた(結局時間なくてQOMジムはいけなかったが)。結局いろいろなことに首突っ込んでいろいろなことが中途半端になって、特段自分の中で抜きん出るものがなくて、辛くなって、もちろん他の理由もたくさんあるがWARRIORSという組織がどんどん好きじゃなくなってしまった。

部活を最後までやり抜くことが正直自分の中ではかっこいいとは思わない。結果を出していないのに「しんどかったけど最後までやり抜きました。」っていうのは自己満でしかないと思う。個人の中で光るものが完全になくなってしまったらさっさとやめて別のフィールドで輝いたほうがその後の人生によっぽど役に立つと思う。

ただ、自分が居残り続けているのには大きく三つ理由があると感じている。
一つ目は、自分の所属するDLパートの後輩に言われた言葉がすごく印象的でもっと考えてみたいと思ったからだ。半年くらい前ではあるが、たまたま二人で帰っていた時、その後輩に情けないながら「結局SAって自分がプレーしたことがないから感覚的な部分とか正直わからないのよね。」と言ったことがあった。後輩は「確かに選手のことは選手自身が一番知っている。そういう点では選手は自分自身のSpecialistだけど、DL全体のGeneralistになることはできない。SAは選手個人のSpecialistになることはできないけど、DL全体のGeneralistになることはできると思います。」と言ってくれた。今になってなんとなくわかる気もする。あの選手はインステップの癖があって、あの選手は二歩目を出すのが遅くて、、、みたいな選手がよく陥りやすい問題点とかは知っていて、それに対しての解決法もある程度知っているつもりではある。Generalist自体に憧れとかは全くないが、Generalistとして一歩俯瞰した目で見ることは一つ自分のパートに役立つのではないか。もっとその言葉を咀嚼して自分なりに考えてみたいと思い続けている。

二つ目は、部活外の大学の友達である。幸運にも、毎回試合に見にきてくれたり、応援メッセージを送ってくれたりする友達がいる。その中で印象的な出来事があった。早稲田戦後である。何人かの友達がはるばるアミノバイタルフィールドまで見に来てくれた。ただあんな結果になってしまい、帰り際、その友達とすれ違う機会があったがどんな顔をしていいのかわからなかった。友達は「お疲れ」と声をかけてくれた。ファンダメンタルでやられて、なす術無くしてなんも疲れてねえよって心の中で思いながら申し訳なさを感じてしまった。普段部活で忙しい自分をわざわざ遊びに誘ってもらって、試合にも来てもらって、自分は生粋のtakerすぎないか。さすがにそろそろ試合に勝ってgiveしたい。これは友達以外にも支えてくださるすべての人に言えることだが。

三つ目は高校同期の存在である。京大のアメフト部にいる。一緒に高校生活過ごしてきて、勉強もスポーツもできて、おもしろくてこんな人になりたいなと思っていた。一緒に浪人して、大学は別々になったが、ふと今年の秋シーズンの京大のスタメン表見たら名前が載っていた。医学部なのに留年もせずかっこよすぎだろ。とすごく刺激になった。

長文をたらたらと書いてしまった。正直もう感傷に浸っている時間はない。頑張るしかない。これが投稿される時自分はどんな感情で部活やっているのだろうかと少し気になるが、あと少し走り続けよう。自分の大学生活を否定されないためにも。(4年SA 北野伸太郎)

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