見出し画像

【Last Season Essay 2023 #5】DL #93 松富太壱

せっかくたくさんの人に自分の文章を読んでもらえる機会を頂いたので、恥ずかしがらず僕が大切にしている考え方について少し語ろうと思います。

小さい頃母親に「モモ」という本を読み聞かせてもらいました。その中に出てくるある話がとても印象深く、今でも人生訓として胸の内に秘めています。

かなり昔のことなので詳しくは覚えていませんが内容はざっくりこんな感じです。

『モモという小さい女の子が未来視のできる亀と一緒に洞窟を探検していました。するとそこに意地悪なおじいさんが現れ、道を通せんぼしました。おじいさんは、「これを解くことができたら先に進ませてあげよう。」と言い、モモにある問題を出しました。その問題はとても難しくモモは苦戦してしまいます。見かねたおじいさんが隣にいた亀にこう言います。「この子に大きすぎない丁度いいヒントを与えてやりなさい。」すると亀は「君はこの問題を解くことが出来る。」というヒントを出します。それを聞いたおじいさんは亀を叱りました。「ダメだよ。そんなに大きなヒントをあげちゃ。」しばらくすると亀の言う通りモモはその問題を解き、洞窟の奥へと進んでいきました。』

僕がこの話で面白いと思うのは、亀の出した大きすぎるヒントは問題の内容には一切触れていないというところです。できるという事実を知ったことがモモにとっては1番のヒントになったのです。

この話を人生訓とするきっかけになった出来事がありました。それは僕が浪人中、数学の問題を解いている時でした。その問題はとても難しく、なかなか解法が思いつかないので諦めようとしていました。しかし、解答を見てしまおうと答えの冊子を手にした時ふとこんな思考に至ったのです。この問題は受験生が解けるように作られていて解法もこの冊子に載っている。だから自分もきっと解けるはずだ。すると不思議なことにこれまで思いつかなかった解法がふっと頭の中に浮かび、その問題を解くことができました。この時僕は例の話を思い出しました。モモが亀からもらったのと同じヒントを僕は答えの冊子からもらったのだなと思いました。それから僕は、困難に直面した時はこの話を思い出し、困難を乗り越えた未来の自分をイメージし、乗り越えられると強く思い込むようにしています。

WARRIORSに入ってからも同じような経験を何度もしました。人とぶつかるのが怖くて出来なかった時、トレーニングで重い重量をなかなか上げられなかった時、苦しいランメニューで倒れそうになった時、僕は何度もやり遂げた自分を想像し乗り越えてきました。もちろん上手くいかないことも多いです。しかし、成功する未来をイメージしてそれを強く信じることが自分にとって大きな力になることは確かです。

この部活を引退した後も僕はたくさんの困難に直面すると思います。でもそんなとき、この人生訓とWARRIORSでたくさんの困難にぶつかった経験が僕の背中を押してくれると僕は信じています。そしてこの経験を糧に多くの困難を乗り越えられる人間になりたいと僕は思っています。(DL#93 松富太壱)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?