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【Last Season Essay 2023 #2】TR 宮澤真王

いざ自分がラストシーズンを迎えてみると、毎日色々な感情が湧くようになった。感情が多いために全体の輪郭があまりつかめていない。言葉にすると、言葉が気持ちを上書きしてしまうような気がして言葉選びに慎重になっていたら、原稿をすごく待たせてしまいました。MKGの皆さん、本当にごめんなさい。

色々な感情が湧く中でも、ずっと心に留まっていたことを書こうと思う。
得るものが大きければ、失うものも大きい。だからどうか、周りの人を大切にしたい。
これは私が4年間を通じてずっと自分に約束していたことだった。
部活で得る経験はとても大きい。しかしその一つ一つの経験と引き換えに、もしかしたら誰かに悲しい思いをさせてしまうかもしれない。そういう不安があって、ずっと上の約束を胸に留めようとしていた。しかし、いざ自分たちの代のシーズンの結果が徐々に出始めると、自分の4年間が毎日思い起こされて、そのときに先の自分との約束が一つ一つについて守れていなかった、足りていなかったと感じる。悲しい思いをさせてしまった人の気持ちが、今もう一度重みを伴って自分に返って来ている気がする。

先日5つ上の代の先輩にご飯に連れて行っていただいて、全く違う話をしていたときだったが、不意に上に対する解を聞いた気がしてハッとしたので、ここに記したい。
「丸くなるな、星になれ。」というサッポロビールのキャッチコピーをご存知だろうか。先輩は現役3年生当時、同期TRからこの言葉を伝えてもらったそうだ。「小さく縮こまるんではなくて、星のようになって欲しい。星というのは尖っているけれど、三角とか四角に尖るんではなく、星型に尖ることに意味がある。」同期TRの先輩はそう伝えたそうだ。本当に、なんて素敵な先輩方だったんだろう。
この言葉に照らして、改めて自分を振り返ってみた。
学年が上がるにつれて、見える景色は変わってきた。いつどこで誰が何をやってくれているのか。現在のことに限らず、過去の先輩方がやってきてくださったことも含めて。そしてそのお蔭で今自分が何が出来ているのか。これを日々知るようになり、同時にその背景にある人の気持ちも知るようになる。やがてその気持ちが自分にも理解できるようになる。色んな人の色んな思いを知るほど、私は物事に対してスタンスを取れなくなっていってしまった。私はこれを自分は丸くなった、とある種の成長のように感じてしまっていたが、そうではなかった。色んな人の想いを無下にしないために、人の思いを汲んでなお、スタンスを取り続けられる人間でなければならなかったのだ。
丸くなるのではなく、星になる。
スタンスを取って出るところは出るけれども、人の思いを知っていて、抑えるところは抑える。
同時に自分の弱さもちゃんと知っている。環境が変わればコロコロと転がることも出来るけれど、そのときにただ転がるのではなく、ちゃんと爪痕も残せる。そして何より、光に向かってまっすぐに輝き続け、周りにもエネルギーを与えられる。そういう星ではないか。

WARRIORSの全部員がそんな星になったら、きっと間違いなく日本一になれるだろう。後輩たちには本当に、キラキラと輝いてほしい。私は自分の代では日本一を達成できなかったけれども、残された時間で精一杯星を目指してもがき続けたい。(TR 宮澤真王)

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