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写真集で写真を味わう幸せを
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。
猛暑が続く日本の夏ですが、スナップを撮りに行く元気もありませんので、今日は写真集でも読んでみたいと思います。
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今日の写真集は、写真家・森山大道の『記録 NO.57』(2024年6月28日発行・Akio Nagasawa Publishing)です。
ご存知の方も多いと思いますが、森山大道氏の『記録』という写真集は、元々森山氏自身が写真の発表の場を作りたいと始めた私的メディアで、1972年7月に記念すべき第1号が発行されています。
翌年には、価格高騰などの理由で(飽きたとも言われてますが)休刊となりましたが、2006年に長澤章生氏により復活し、2024年6月に最新版(第57号)が発行されました。
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ちなみに、定価は3300円(税込)ですが、早期予約すると直筆サイン入りが2640円(税込)で購入できます。
85歳になられた森山氏は、現在も現役でストリートスナップを撮られています。
以前は、新宿や渋谷、池袋など都心のストリートスナップが多かったですが、コロナ以降、体調を崩されてからは自宅のある逗子を中心に、鎌倉や葉山、横須賀、大船あたりの写真が多い印象です。
高層ビルなども少しだけありますが、多くの写真は、街を歩く人々の一瞬の仕草だったり、佇む様子が数多くスナップされています。
もちろん顔もしっかり写っていますから、これがSNS一部界隈だと肖像権云々うるさそうですが、写真集という閉じられた世界であることと、あくまで公道からの撮影であり問題はないのですが、モザイクが入れられたSNSの写真を見慣れている人からすると、少し驚くかもしれません。
日常のひとコマを写した写真表現の大切な要素であるスナップの良さを感じさせてくれます。
写真はすべてモノクロで、森山氏の基本とも言える粒子感のあるコントラスト強めのイメージは、色彩豊かなキラキラした世界とは違い、一見すると昭和っぽい表現に感じるかもしれませんが、モノの形やヒトの表情、光の取り込み、1枚の写真の中に広がる世界が単なる日常でしかないのに、もう二度と観ることができない非日常として写し出されます。
森山氏の写真は、誰にでも撮れそうなものが多いのですが、圧倒的なパワーを感じさせたり、クスッと笑わせるような瞬間であったり、形や意味など何かの対比であったり、誰かが街にいたことを匂わせる時空の歪みを描写したり等々、決して誰もが手を出せる領域にないことを見せつけられます。
これらの写真の良さをしみじみ実感できる大きなファクターとなるのが、写真集という媒体で大きなサイズで観ることできるということです。
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具体的なサイズは測っていませんが、iPhone 15を横向きにした時のサイズとの比較すると一目瞭然です。
SNSの写真を否定するものではありませんが、サイズが大きくなっただけで写真が本来持っているエネルギーが、より観る者に伝わるような気がします。
これは解像度がどうとかいう話でもなく、スマホと大型スクリーンで観る映画の違いと同じような感覚です。
写真集で、SNSでは観ることのできない写真の世界を味わう幸せを…ぜひ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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