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ライカ考①:なぜライカはカメラ好きを虜にするのか

こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。

今日のお話は、「ライカを考える」特別企画の第1回目です。

私は「ライカ」を持っていませんので、外野から感じたことをお話しして、カメラの役割について考えるきっかけになればと思います。

ライカを持っている人もそうでない人も、写真を撮るためのマシンとして「ライカ」とは何かについて考えてみると、より好きなるか、より嫌いになるか。さて、どっちでしょうか?

カメラに興味のある方でライカの名前を聞いたことがない方は少ないのではないかと思います。

では、簡単にライカについておさらいしてみましょう。

ライカは、ドイツの高級カメラメーカーで、創業者の名前を由来とする「Leitz Camera」の略称です。

ライカ最大の功績は、35mmフィルムカメラを開発・発売したことです。それまで大型のカメラが主流だった時代に、ライカの小型軽量のカメラが登場したことで、スナップ撮影という撮影手法を可能としました

レンジファインダー式のM型が特に有名で、デジタルになった現在でも「M11」に継承され、その基本姿勢は変わっていません。

しかし一眼レフへの参入が遅れたことで過去には経営危機もあり、日本のミノルタ(現在のコニカ・ミノルタ、カメラ事業はソニーが継承)と技術提携し、ミノルタ製のライカカメラも登場しました(Leica CL/LEITZ Minolta CL)

近年では松下電器産業(現パナソニック)と提携し、ボディ、レンズの共同開発やOEMなどで関係を深め、LUMIXにはライカのマウントが採用されています。

レンジファインダー

レンズの繰り出し量などを測定することで合焦装置と光学距離計を連動させ、スプリットイメージや二重像の重ね合わせによりピント合わせを行う。

Wikipediaより

フィルムからデジタルに変わってもライカが大切に守り続けているものに「レンジファインダー」式カメラがあります。

特に名機として1954年発売開始の「ライカM3」は今でも高値で取引され、最新モデルの「M11」は6000万画素CMOSセンサーを搭載し、約150万円で販売されています。

ライカのラインナップは、レンジファインダー機がフラッグシップであり、ミラーレス機のSLやレンズ一体型のQシリーズは、現在のマーケットを意識した利益確保のためのシリーズといった感は否めません。

ライカといえばレンズ

「エルカン」(Elcan )
「エルマー」(Elmar )
「エルマリート」(Elmarit )
「ヘクトール」(Hektor )
「ノクチルックス」(Noctilux )
「ズマール(Summar )
「ズマレックス」(Summarex )
「ズマリット」(Summarit )
「ズマロン」(Summaron )
「ズミクロン」(Summicron )
「ズミルックス(Summilux )
「ズミタール(Summitar )
「テリート」(Telyt )
「タンバール」(Thambar )など

Wikipediaより

ライカのもうひとつの大きな柱は、レンズです。

特にズミクロン、ズミルックスなどは、ライカでしか描画でない絵が撮れるということで高く評価されています。レンズ1本が数百万円というのも当たり前の世界です。

同じ焦点距離のレンズであっても、シリーズによってコンセプトが違いますので、表現の幅も広がります。

また、ボディがライカでなくても、現在はマウントアダプターが豊富に用意されていますので、他社製ボディへの装着も一般的です。

なぜ、ライカ沼にハマるのか

ミラーレス機SLやレンズ一体型カメラQシリーズなどもラインナップされていますが、ライカに足を踏み入れた多くの人が、結局M型ライカに辿り着き、「ライカ沼」から抜け出すことができなくなると言われています。

ここまで、本当に簡単にですが、ライカの歴史、レンジファインダーとレンズを見てきましたが、ではライカの魅力とは何なんでしょうか?

・世界初の35mm版フィルムカメラを世に出した功績
・レンジファインダー機を中心としたボディ・レンズ群
・多くの人を魅了する描写性能
・世界的有名写真家が使用している実績
・圧倒的な高価格
・カメラ・写真の文化を守り、育てる企業の姿勢
・ブランド価値を守り続ける、高い描画性能
・所有する喜びを提供するマーケティング
・よく写ること

まだまだ他にもたくさんライカの魅力はあると思いますが、この世界観に浸れる特権は、正直なところ一部の人だけのものです。

ブランドというのは、「認知度ー普及度=価値」というシンプルな公式に当てはめると、おおよその立ち位置を知ることができますが、ライカをこの公式に当てはめてみるとよくわかると思います。

撮影:Tokyo Street PIX.  @表参道

高い認知度は、 "カメラメーカーとして有名“ というだけでは役不足で、他を圧倒する描画性能や、文化・歴史といった側面までも含まれます。

これはクルマ業界とも構造が似ていますね。
 ライカ ←→ キヤノン・ニコン・ソニー
 ベンツ ←→ トヨタ・日産・ホンダ 

良くも悪くも、ドイツと日本、それぞれのお国柄が出てきてしまうのでしょうか。

多少の故障には目をつぶるけど、高機能より高性能を求める人たちには、ちょっと大袈裟かもしれませんが、ライカしか選択肢がないとも言えます。

また隠れたポイントとして、ライカユーザーだからといって、日本のメーカーを否定するどころか、日本メーカーのカメラも持っているということです(ベンツもあるけど、セカンドカーはプリウス的な)。

要は使い分けができる、選択肢を広く持てる人たちは、ライカのカメラは、所有欲も満たしてくれつつ、他のメーカーにはない描写も提供してくれる、唯一無二の存在であるわけです

後半へつづく (キートン山田さん風)

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またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。

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