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ストリートスナップと肖像権

こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。

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今日は、ストリートスナップで常に付き纏う「肖像権」についてお話ししてみようと思います。

ストリートで撮っていれば、通行人が入ってしまうことは、当たり前のようにあります。しかも、顔もしっかりわかる大きさで。この写真を公表したら問題ある?ない?

わたしの写真集『写欲2』でも詳しく書いていますが、ここではポイントを整理して書いてみたいと思います。

肖像権という明文化された法律はありませんが、過去の判例から、勝手に撮られたり公表されない権利のことをいいます。

さらに「パブリシティ権」と「人格権」の二つに分けることができ、「パブリシティ権」は芸能人などの肖像の無断使用に関することですので、ここでは省きます。

もう一方の「人格権」が、特にストリートスナップで問題になることがあります。

デジタルアーカイブ学会肖像権のガイドラインが公開されていますので一度確認してみるのも良いと思います。ここでは、顔が判別できるか、承諾を得ているか、公開された場合の影響度を勘案して一応の線引きとしているようです。

たとえばですが、肖像権という明文化された法律はありませんが、写真に撮られた人から、民法の第709条「不法行為による損害賠償」などに基づき裁判を起こされる可能性があるということは知っておいたほうが良いと思います。

過去の判例では、写された人の行動内容、撮影または公表された場所・目的・態様、必要性などを考慮して、「人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものか」を判断すべきであるという判例が出ています。(東京地判平成21年9月29日判夕1339号156頁の要約)


また、憲法21条の「表現の自由」があるから、何を表現しても自由だという意見も見受けられますが、これは国、行政などによって検閲等を受けない権利があるという話であって、表現自体が無制限で許されるわけではありません。

YouTube 2bチャンネル 『『撮る自由』と「発表の責任」とは』

基本的に押さえておきたいことは、「肖像権」は被害を訴える人が民事上の責任を問うことであり、犯罪ではありません。あくまで民事での裁判となります。

裁判になる前に、その作品の公開を取りやめるなどの処置をして和解することもひとつの選択肢ですが、最終的には自分の作品に責任を持つということが大切です。

自分の写真に、どの程度他人を写り込ませるか、自分の中である程度の線引きをしておいたほうが良いかもしれません。

積極的に人物にフォーカスして顔まではっきり判別できる写真、人の後ろ姿やシルエットなど顔を入れない写真、顔は小さく写っているが判別できない写真、建物だけの写真など様々なパターンが想定できます。

ちなみに、わたしの場合は、パブリックな場所で撮影したパブリックな被写体(通常の範囲で見ることのできる形態等)で、かつ悪意を持った発表の仕方でなければ、人が写っている写真でも作品として公開・公表しています

先ほども書きましたが、自分の発表した作品には責任を持つということが前提となります。

この記事を読んで、ストリートスナップを撮っている方が、肖像権について改めて考えるきっかけになれば嬉しく思います。

またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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