デジタルの戦略策定と実行、その前に

デジタルトランスフォーメーションが当たり前になってきた。
特に大企業はそろそろデジタルトランスフォーメーションに取り掛かっていないと完全に乗り遅れる感すらある。

デジタルトランスフォーメーションが当たり前になってくると、サービスの未来を考える、事業戦略を練る時にデジタルが当然のように絡んでくる。
そしてこぞって5年スパンでデジタル戦略を作ろうとするわけだが、一呼吸置いてみませんか、と問うてみたい。

大学時代(今もだが)、中々目標達成できなかった不出来な私は尊敬する同期にどうすれば上手くいくか相談したことがある。

「上手くいかない理由は2つのうちどちらか。戦略がダメなのか、戦略を遂行する実行力がないかだよ。」

なるほど、と膝を叩いたのを今でも覚えている。
そんな当たり前のことをと思うだろうが、大概そんな当たり前なことが大切なものだ。

大抵の企業にとってデジタルなんて未知の世界。今までやったこともなければ人材も組織も整っていない。そんな状態で戦略を作っても、本当にそれを実現できるのだろうか。私はコスト(お金も時間も)をかけて作っても回収できる気がしていない。

それどころか、基礎(実行力)のない状態で進めるデジタルプロジェクトは負の連鎖を引き起こす。当初いるメンバーでは遅延し、問題プロジェクト化する。そうすると社内のエース人材を掻き集めたり外部の力を入れたりして鎮火しようとする。そのプロジェクトはなんとか軌道にのるかもしれないが、社内に広く経験が蓄積されていかない。そんな状態だが先を見ると、また新しいデジタルプロジェクトが待ち構えている。
そうこうしているうちに時間とお金が消え、気づいた時には「あれ?できない」となっている。

スポーツだろうがなんだろうが、初めてやることは基礎が大事だ。これも当たり前のことなのだが、なぜか組織となると見落としてしまう。

戦略を練り込む前にデジタルケイパビリティを高める、初めてデジタルに取り組むのであれば半年から一年はそのような期間を設けた方が良いと思う。

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