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18話:narcissu/ステージなな 製品説明文でネタバレ

 ネットでダウンロードできる同人フリーゲームの中でも有名な泣きゲーム「ナルキッソス」。15年前くらいにプレイったのですが、2時間で終わるゲームなのでせっかくだしもう一度読み返すことにしました。結果、全然内容を忘れていました。

簡潔すぎる説明文…など、これがゲームの特徴だ

 ゲームはこちらでDLできます。Windowsのみ。

ナルキッソス ダウンロードより
http://stage-nana.sakura.ne.jp/narcissu.htm

 公式サイトのゲーム説明がこちらです。

現代、暗い、主人公とヒロイン、どっちも死にます。

 早速ネタバレ! それに言い方が冷たいな!

 ゲームはシンプル。立ち絵なし、選択肢なし、ヒロインボイスのみあり。冒頭でも書きましたが2時間でクリアできます。

 シナリオはギャグなしの重い系。治療が終了し病院の7階で終末期ケアを受けている20歳の主人公、22歳のヒロイン(どっちも死にます)が、ナルキッソス、水仙を見るために病院を抜け出し、主人公のお父さんの車で関東から淡路島に行くという話です。

始めから終わりまで、物語は静かに進むだけ

 ダウナーな雰囲気をまとう作品でした。

「前向きになんてなれない」と、ヒロインは生きること、期待することを手放しています。

 そんな彼女だからこそ、逃避行中にスカートを買ったとき、年頃の女の子らしく嬉しそうにしていた様子が印象的でした。基本はそれ以外は「別に……」キャラだったけど。でも、最後に絶対無理だと思っていた目的地に着いたことで絶望のヴェールがはがれました。

 テレビ画面の向こうでしか見ることができなかった一面の水仙に触れることができたり、車の運転をしたり、グラビアアイドルの真似ごとをしたり……。きっと彼女にとっては全てが嘘すぎるくらい本物で、それは思わず無表情が崩れるくらいに可笑しなことだったのでしょう。

 私は、極寒の1月末に海辺でタオル1枚を胸に巻き、グラビアアイドルのまねごとをしていたシーンで胸がいっぱいになりました。それまでにたくさん泣いただろうし、たくさん絶望もしたでしょう。自宅か7階で死ぬしかないと思っていた彼女が、流れるように決まっていく運命を事務的に受け入れていた彼女が、たくさんのことに抗い、最後に死に場所も自分で決められたことで、人生の愛おしさを改めて感じたんじゃないのかな……と思っ、ウッ……。

 ラストも彼女が自殺をする瞬間まで、静かに淡々と語られました。その後に、

「眩しかった日のこと そんな冬の日のこと」

 主人公とヒロインの写真に書かれていたこの一文をヒロインのボイスで読み上げられるんだけど、それでもうオーバーキルされました。セツミぃ!

narcissuで学べたこと

「真面目なゲームは感想も真面目になるな」ってところかな! 違ったらごめんなさい!

 立ち絵はないとはいえ何枚かヒロインの絵は出てきたので、出ない時間も完全に脳内で萌え絵は補完されていたのでOKです!

 恋愛要素なしでも信頼し合う関係はかなり尊かったー。そういえばラスト、主人公がヒロインの自殺を見守るシーンがあったけれどあれもかなりの業を背負ったよなぁ……。

 ナルキッソスは2も無料でできるっぽいし、ノベライズ、漫画化などもされているので大人気ですね。1がハマった方はぜひぜひ2以降もチェックしてみては? なんだこりゃ、どうしても真面目になってしまう。


つい誠意を見せてしまった東京ニート的評価「narcissu」B

#泣きゲー #病気 #生死観 #同人ゲーム #逃避行 #淡路島  

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